2013 Fiscal Year Annual Research Report
拡張現実感を利用した科学館展示における学習環境の研究
Project/Area Number |
23650517
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
浅井 紀久夫 放送大学, 教養学部, 准教授 (90290874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀明 放送大学, 教養学部, 准教授 (30251002)
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Keywords | 拡張現実感 / 学習環境 / 協調作業 / インタフェース / 科学館 |
Research Abstract |
本研究の目的は、科学館の展示において拡張現実感環境を構築し、体験を通して知識や概念を構成するような学習を提供する仕組みを作ることである。そのために、拡張現実感を利用した提示手法とコンテンツを構築した。 当該年度は、科学館において楽しく学べるコンテンツを制作した。科学館展示の題材として自動車を選定し、前年度には歴史的に大量生産技術の発展に貢献したT型フォードの三次元モデルを構築してきた。しかし、科学館での学習コンテンツには仮想のものよりも、実体が伴う体験的な要素が強い方が良いという科学館側の指摘があり、ミニチュアの自動車を実際に操作し、周囲のドライビング環境を仮想的に提示する仕組みを構築することにした。 ミニチュアの自動車としてラジコンカーを採用し、複数の利用者がそれぞれ同じ空間を共有して操作できるようにした。各ラジコンカーには可視光カメラを搭載し、運転者の視点でのシーン映像を利用者に提供する。ビルや信号機などの仮想物体が、視点に応じてシーン映像に重畳表示されるようにした。これにより、複数の利用者によるドライビングの共有環境が構成され、臨場感を伴った操作体験が提供されると考える。 マーカベースのトラッキングシステムを実装し、ラジコンカーに搭載された可視光カメラの位置姿勢を推定した。可視光用のマルチマーカが床面に配置され、カメラの位置姿勢の推定に使われた。位置姿勢の精度を向上させるため、各ラジコンカーに赤外線マーカを付随し、天井に配置された赤外線カメラを用いて位置姿勢を推定した。システムはサーバ・クライアント構成とし、クライアントで可視光カメラの位置姿勢推定と三次元形状の重畳表示を担い、サーバで赤外線マーカの位置姿勢推定と可視光カメラの位置姿勢の補正処理を担った。
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