2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650584
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
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Keywords | 生物 / 文化資源 / 実践地理学 / クロスズメバチ / アグー / 口之島牛 / 木材 |
Research Abstract |
本研究は、生物を生かした地域資源の活用を対象として、地理学の人間-環境論の視点、地域を自然・文化・社会・経済の統合的にとらえ分析する方法論を提供し、生物の文化的特質と地域生活環境との融合を図る実践的研究を行う。生物資源への生活文化的価値付けによる地域文化資源の創出に地理学が寄与するとともに、地理学が現実社会への応用や新たな取り組みへの積極的支援できること、理論的バックボーンとして役立つ枠組みを構築することを目的としている。 生物を活かした地域資源化を、①生息環境の保全、②文化資源の形成、③文化価値の普及、の3つを柱として、文献研究ならびに事例研究を実施しそれらを統合して実践地理学的体系を構築する。 今年度は、地域資源活用と生物環境保全に関する研究動向の整理と事例調査を実施した。とくに、クロスズメバチ飼育、現地調査を行い、村落での普及および愛好会の活動を継続的に調査した。この成果は地域資源の活用の事例として食用野生資源に関する国際会議で発表した。また、農畜産物を生かした文化資源の形成については、沖縄のアグーおよび口之島牛の飼育繁殖方法および文化資源化活動について実証調査ならびに食文化への活用の調査を継続して行い、成立過程と現状での飼育環境整備ならびに今後の展望について明らかにすることができた。そして地域資源として間伐材を有効に生かす方策の製品化に関する調査と検証を実施した。また、ドイツにおいて生物を生かした地域資源研究について助言を受け、あわせて鳥類や干潟・島嶼環境の身近な地域資源活用の実態を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クロスズメバチの農薬影響の検証について、当初予定していた分析依頼の協力者の都合が悪くなったため、被害個体の収集・分析および関連調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
クロスズメバチ飼育に関する農薬影響の分析については、あらたに協力依頼できる研究者および関連機関を得られたので次年度に実施する、あわせて、関連アンケート調査も行い、総合的に検証を行う。アグーの飼育維持および地域資源化の展開については、ヨーロッパでの在来家畜の資源活用動向を踏まえてた製品化ならびに地域産業化の実践が計画されているので、その状況の研究調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査および資料の分析に研究費を用いる他、実践地理学的な一般化に向けた研究成果発表に研究費を使用する。とくに今年度に実施できなかった農薬影響に関する分析について、現地調査での状況を把握しながら適切に依頼できるように関係者と連携を進めておく。それらの実施に伴う諸経費、分析依頼費に研究費を使用する。また、これまでの研究成果もあわせて分析結果、概念検討のための研究助言を得るため、研究打ち合わせにも研究費を用いる。
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