2011 Fiscal Year Research-status Report
遺伝素因による発癌病態の解明と癌予防に向けた創薬開発
Project/Area Number |
23650624
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
醍醐 弥太郎 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (30345029)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 分子標的治療 |
Research Abstract |
本研究は、(1)複数の遺伝子異常の同時解析に利用可能な正常細胞における遺伝子組み換え技術を開発して、ゲノム構造異常や遺伝子多型(遺伝素因)に起因する癌発生機構の解明を行うこと、そして(2)この技術を応用して、新規癌関連遺伝子を標的とした癌予防に向けた創薬開発手法を確立することを目的としており、その第1段階の解析として、遺伝子組み換え法を用いた発癌機構再構築系の確立と独自に同定した2個の肺癌関連遺伝子(TERT, TP63)をモデルとした癌予防に向けた創薬法の確立に向けた基盤的解析を以下の手順で進めた。解析基盤(技術・試料)の確立を行うため、複数の細胞株やヒトの肺由来の正常細胞(気道上皮)における2個の肺癌関連遺伝子(TERT, TP63)の遺伝子多型を確認した上で、遺伝子導入条件を検討した。あわせて遺伝子導入に影響を与えるgenetic backgroundの検証を行うため、細胞ストレス下での肺癌関連蛋白・遺伝子やDNA修復に関わる蛋白・遺伝子の発現を検討した。これにより複数の遺伝子導入株候補を選定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の細胞株やヒトの肺由来の正常細胞(気道上皮)における2個の肺癌関連遺伝子(TERT, TP63)の遺伝子多型を確認した上で、遺伝子導入条件を検討し、あわせて遺伝子導入に影響を与えるgenetic backgroundの検証を行うため、細胞ストレス下での肺癌関連蛋白・遺伝子やDNA修復に関わる蛋白・遺伝子の発現プロファイルを検討した結果、2個の肺癌関連遺伝子(TERT, TP63)を導入する細胞株が選定されたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして、第2段階として、TERTおよびTP63遺伝子導入細胞の樹立を行う。我々がこれまでにゲノムワイド関連解析(GWAS)で同定した2個の肺癌関連遺伝子(TERT, TP63)等のリスク多型をもたない複数の細胞株にTERTとTP63それぞれを導入(Knock-in)した遺伝子組み換え細胞を樹立すして、癌の遺伝素因に起因する発癌病態の解明と癌予防に向けた創薬モデル構築の基盤を確立する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、本研究計画の第2段階で必要となる遺伝子導入試薬、細胞培養試薬、遺伝子発現検出試薬、シークエンス試薬等の消耗品費として使用する。
|
Research Products
(4 results)