2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651018
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
定永 靖宗 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70391109)
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Keywords | 光化学オゾン / 都市大気 / 生成速度の直接測定 |
Research Abstract |
光化学オゾンの生成・消失過程を定量的に知ることは光化学オゾンの制御戦略を行う上で重要である。しかしながら、大気中のオゾンの動態は、化学的なオゾン生成が非線形的な挙動を示すことに加えて、化学的だけではなく、輸送や沈着等気象学的・物理的な要素 も複雑に入り混じり、解明は困難であるとされている。本研究では上記の化学的要因と物理的要因を切り離し、「化学的な」オゾンの正味の生成速度を直接測定する装置を開発することを目的としている。 平成 23 年度では、光化学オゾン生成速度測定装置の構築を行い。概ね終了したので、平成 24 年度では、装置の特性評価を行った。本装置で光化学O3生成速度を求めるにあたり、1) 反応容器が光化学 O3 生成に寄与する光化学活性な太陽光をほぼ100%透過し、参照容器がほぼ 100% 遮光すること、2) 反応容器内の空気の平均滞留時間、が必要である。1) についてはスペクトロラジオメーターを用いて反応・参照容器内外の太陽光スペクトルを直接測定した結果、光化学オゾン生成に寄与する紫外線の透過率が反応容器でほぼ 100%、参照容器でほぼ0%と期待通りの特性を有することを確認した。2) についてはトレーサーとして NO2 を用い、パルス応答法により測定した結果、平均滞留時間が(22.1 ± 0.5) minであると見積もられた。また、NO反応管の中で O3 が NO2 に完全に変換されるように、NO 反応管の長さと NO 導入流量を最適化した。管長さ 5 m、内径 10.7 mm の条件で反応管内の NO 濃度を 967 ppbvとすることで、試料 O3 濃度 0~70 ppbvの範囲において十分な変換効率が得られた。最後に、装置の自動化および、大阪府立大学B5棟屋上でテスト観測を行い、有意な装置の応答が確認された。
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