2012 Fiscal Year Annual Research Report
光励起キャリアの電荷分離と結晶内分極電場の相互作用に関する実証的検討
Project/Area Number |
23651081
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大橋 直樹 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (60251617)
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Keywords | 極性結晶 / 自発分極 / 光電子分光 |
Research Abstract |
極性界面における電子状態解明のための検討を行い、以下の成果を得た。 ●研磨・研削技術 : これまでの機械化学研磨に関する検討を継続し、低欠陥濃度の酸化物表面を得るための、レシピを確立した。特に、結晶の硬度が低い酸化物半導体の研磨に置いて、研磨由来の転位の発生を抑え、欠陥によるキャリアーの再結合や散乱を低減した高品質の表面を得るための作業手順を確立した。 ●光電子分光による極性結晶評価 : 極性結晶の分極方向を非破壊で判定するための方法として、光電子分光方を検討した。光電子の非弾性散乱によって得られる散乱パターンを得ることで、極表面での原子配列の評価に用い、より簡便に、極性表面の分極方向を知るための手段を確立した。これまで、広い角度範囲での光電子強度測定が必要であったところを、少ない測定回数で分極方向を見定められるような方法を得た。さらに、同じく光電子分光測定で、極性に関係した光電子スペクトルの変化を捉え、その極性に由来するスペクトルの特徴が、研磨や研削の状態に依らずに存在していることを明らかにした。このことから、敢えて表面を荒らした結晶や原子レベルでの平坦性を備えた結晶のいずれを用いても、結晶の極性に依存した特性を観測可能であり、それらの検討から、表面の欠陥濃度と表面での電荷分離挙動とを検討することに意味があることが明らかとなった。 ●偏光光源による励起 : 上記の光電子分光測定結果をより詳細に検討するため、偏光光源による励起を検討した。すなわち、結晶の分極方向と平行、または、垂直な電場ベクトルを持った光源で、光電子スペクトルを励起した。すると、上記の極性・分極方向に依存した光電子分光スペクトルの起源が、表面における化学結合状態の分極方向依存性である可能性が示された。現在、理論計算によって、その解釈を検討中である。
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[Journal Article] An aqueous solution process and subsequent UV treatment for highly transparent conductive ZnO films2012
Author(s)
Wagata, H., Ohashi, N., Katsumata, K.-I., Segawa, H., Wada, Y., Yoshikawa, H., Ueda, S., Okada, K., Matsushita, N.
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Journal Title
Journal of Materials Chemistry
Volume: 22 (38)
Pages: 20706-20712
DOI
Peer Reviewed
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