2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23651196
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
顧 建国 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (40260369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 友彦 東北薬科大学, 薬学部, 准教授 (40433510)
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Keywords | 糖鎖 / α1,6フコース / 肝再生 / 肝がん |
Research Abstract |
本研究では、糖鎖修飾による受容体の機能変化による肝再生の制御という新しい視点から、部分肝切除後の糖鎖変化および肝再生における糖鎖の役割を明らかにし、糖鎖を用いた肝再生の促進療法の開発を行う。野生型のマウスに比べFut8ホモ欠損マウスの肝再生機能が有意に低下することを見出した。さらに、Fut8ヘテロ欠損マウスにおいても肝再生能が低下していた。実際、野生型マウスの肝再生過程では、Fut8の活性は肝再生とともに誘導されるが、肝再生の終了期(7-9日目)に活性が正常に戻ったことがわかった。これらの結果は、α1,6フコースが肝細胞の増殖能に寄与し、肝再生能力を高めることを強く示唆している。現在、肝再生と深く関わっている肝発がん実験においても、Fut8発現の意義を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝再生過程におけるFut8の発現およびその産物であるα1,6フコース糖鎖の発現が誘導されたことを明らかにした。また、肝再生と深く関わっている肝発がん実験においても、α1,6フコース糖鎖の発現が誘導された。これらの結果から、Fut8の発現は細胞の増殖に極めて重要であり、臨床にも応用できる可能性があると強く示唆される。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ヘテロ欠損マウスでも部分肝切除後の肝再生の遅延が観察されているから、L-フコースの投与によって低下した肝再生能の改善が見られるかを検討する。 2)肝再生や化学肝発がん誘導において炎症発症が重要なファクターと考えられているので、Fut8発現と炎症との関連性についても検討していく。 3)肝細胞の増殖において増殖因子受容体上のα1,6フコース付加とその機能制御との関連性を詳しく解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Fut8の発現は、肝再生や化学肝発がん誘導における機能とその分子メカニズムを明らかにする。特にFut8の発現と炎症、またFut8と細胞増殖との関連性に注目し、詳細な分子機構を解析する。
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