2011 Fiscal Year Research-status Report
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23652022
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 雅秀 金沢大学, 人間科学系, 教授 (90230078)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ポン教 / 図像学 / 画像データベース / チベット美術 / 文化資源 |
Research Abstract |
2011年9月にはインド、ニューデリー国立博物館で、2012年2月には連合王国の大英博物館、およびヴィクトリア・アンド・アルバート美術館において、チベット仏教美術に関する調査を行った。現在、収集したデータの整理・分析を進めている。 今年度の調査において収集した画像資料を含め、研究代表者が過去において収集したデータを統一的なフォーマットに整え、画像データベースの構築作業を進めている。金沢大学のサイトで提供している「アジア図像集成」という画像データベースに、ポン教美術を含むチベット仏教美術の部門を新設し、公開するための作業を行っている。これと平行して、チベット語による文献資料から抽出した図像に関するテキスト・データについてもデータベース化し、画像資料と文献データとの連携的なデータベースを作成している。 研究代表者は2011年7月には『チベットの仏教美術とマンダラ』という著作を刊行した。同書は、わが国においてこれまで限定的な研究しかなかった当該分野の、はじめての本格的な研究書として、関係学界において大いに注目を集めた。東洋美術史の中にチベット仏教美術をただしく位置づけ、重要な作品については、様式史や図像学の立場から詳細な分析を行った。国際的に見ても、斯学の先端的な研究成果として高く評価されている。ポン教美術を含むチベットの宗教美術の総合的研究をめざす本研究においては、そのスタートラインに位置づけられ、同書の内容の発展や展開を、今後の研究期間においてめざす。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で設定した今年度の予定をほぼ完遂し、成果としても『チベットの仏教美術とマンダラ』という大部の著作を刊行した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに、現地調査とデータベース構築をふたつの柱として、研究を推進する。所属機関内外の関連分野の研究者との共同研究体制を構築し、より包括的かつ大規模な研究成果をめざす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費は、現地調査のために必要な物品(撮影機材)と、データベース作成に要するコンピュータ周辺機器のために支出する。旅費は現地調査および、学会発表のためで、とくに、昨年度実施できなかった調査および学会発表のための旅費として繰り越し分を使用予定である。人件費は画像を中心としたデータ整理と、データベース作成のための謝金である。
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