2013 Fiscal Year Annual Research Report
グリム童話集における数字使用のコンピュータ検索と、その偏差の意味考察
Project/Area Number |
23652067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 克知 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (30142665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 吉文 北海道大学, -, 名誉教授 (20091473)
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Keywords | グリム童話 / 数字 / 作品内在解釈 / デジタルデータベース |
Research Abstract |
本研究では、グリム童話の、エーレンベルク草稿から第7版にいたるすべての作品を、Web汎用文字コードのテキストデータファイル化して、全作品データベースを構築し、コンピュータ独自の検索処理を行い、それぞれの作品ごとに、それに含まれるほぼすべての数字の一覧表(登場頻度表)を作成し、その結果と、作品内在理論を用いて、グリム童話の数字の使い方に関する解釈を行った。 文学作品における数字のシンボリックな意味に関しては、これまで様々に論じられてきたが、本研究で行ったような規模での登場頻度というような数量的な実証的裏付けを伴うものは初めてであると思われる。結果としては、2という数字に対する、グリム兄弟の特別な偏愛ともいえる傾向が、数量的にも示され、内在解釈を応用することによって、2と、最終的にそれを統合へと向かわせる1というグリムの創作意図を抽出し、実証することができた。 とにかく膨大な量のテキストのデジタルデータベース化には2年もの時間が必要であったが、最終年度にはデータベースが完成し、内在研究に利用できるようになったのは、大きな成果である。本研究は、一般的に関連づけが難しいコンピュータによるデジタル処理と、人間精神の内在解釈を、有効に連携する方法例として、価値があると思われる。ますます増加する文学作品のデジタル化を、単なる「閲覧」だけではなく、コンピュータ独自の処理対象にする研究の、実際例を提示できたように思われる。 なお、このグリム童話のデータベースは、数字だけではなく、その他の項目の検索にも利用できるので、存在価値は大きいと思われる。
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Research Products
(1 results)