2012 Fiscal Year Annual Research Report
多文化共生の学校づくり―外国人集住都市のグローカル化の民族学的研究
Project/Area Number |
23652187
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
阿久津 昌三 信州大学, 教育学部, 教授 (30201883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中牧 弘允 国立民族学博物館, 名誉教授 (90113430)
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Keywords | 多文化共生 / 学校づくり / 外国人集住都市 / グローカル化 / 自治体政策 / 教育政策 |
Research Abstract |
本調査研究は、多文化共生の学校づくり―外国人集住都市のグローカル化の民族学的研究という研究課題のもとに、長野県の外国人集住都市―特に、上田市と飯田市を事例として、民・官・学・博の連携を構築することで新たな自治体の外国人政策及び教育政策のための提言をすることが目的である。 平成24年度には、阿久津昌三が東京都豊島区池袋及び新宿区大久保において調査研究を実施した。また、外国人妻の多い農村調査に関する調査研究を実施した。昨年度の教育フォーラムの課題として、非外国人集住都市、つまり外国人集住農村を重点的に検討する必要にせまられたことによるものである。なお、2012年7月7日に平成24年度免許状更新講習において、「移民と移動の社会学―外国人集住都市の事例を中心として」と題して講習を実施した。 中牧弘允は、飯田市が当番で主催した外国人集住都市会議(平成24年11月12日)に参加した。子どもの教育についての報告がなされた。特に、問題となったのは日本語能力の低さのために高校進学の道が閉ざされてしまうことであった。中学校における日本語指導体制が課題として浮上していることが明らかになった。これを受けて、11月下旬に、阿久津昌三とともに、飯田市多文化共生係においてヒアリングを実施した。また、中牧弘允は、多文化共生センター東京でヒアリングを実施した。中卒の外国人生徒に対して高校進学に向けた教育に力を注いでいること、漢字と数学が苦手であること、非漢字圏の子どもに日本語の読み書き能力をつけされることなどが課題となっていることが明らかになった。さらに、「よこはま国際フォーラム2013」では、豊田市保見団地の報告があり、ポルトガルで授業をするブラジル人学校が3校に減少しているとの言及があった。日系ブラジル人に対する教育政策の先進地域でもこのような趨勢にあることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)