2011 Fiscal Year Research-status Report
日系企業とNGOとの協働によるビジネス生態系モデルの研究
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23653100
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
林 倬史 国士舘大学, 経営学部, 教授 (50156444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 知栄 立教大学, 経営学部, 助教 (20411209)
荒井 将志 杏林大学, 総合政策学部, 講師 (70549691)
中山 厚穂 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (60434198)
伊藤 道雄 立教大学, その他の研究科, 教授 (90386459)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | フィリピン / NGO / ソーシャル・ビジネス / BOP / 貧困解消 |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は、多国籍企業が事業活動をグローバルな規模で展開する中で、新興経済圏の市場開発と貧困解消をどのように解決していくのか、その理論的実践的モデルを追求することにある。23年度に実施した研究成果は、以下の3点である。第一点目は、フィリピン最大のNGO組織であるPBSP(Philippine Business for Social Progress)への2度にわたるヒアリング調査が予定通り行われ、PBSPの行っている各種プロジェクトの内容と社会的解決課題との整合性の検証、およびメンバー企業である外資系企業との連携内容を確認できたこと。そして、PBSP事態の組織構造を把握しえたことにある。第二点目は、同じく現地NGOのCARD(Center for Agriculture and Rural Development)への二度にわたる訪問調査を無事行うことができた。時にCARD Bank が行っている土地なし貧農女性へのマイクロファイナンス事業の内容とその成果を確認できたこと。およびサリサリストア事業からつぎへの飛躍がどのようになされているのかについてのヒアリングができた点が大きな成果となった。最後に第三点目に、日系企業8社へのヒアリング調査によって、現地からの調達の程度、現地での研究開発状況、現地従業員数と給与状況等々を把握しえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記、研究実績の概要でも述べた通り、現地のNGO組織への訪問調査とヒアリングが順調に行われたことにより、現地での貧困解消プログラムがどのような点で順調に推移し、逆にどのような要因がマイナス要因となるのかについての知見が得られた。このことにより、現地独自の貧困解消を阻害する要因が明らかになってきた。また、日系企業への訪問調査によって、現地での事業活動の多様な問題点が把握しえた。それによって、日系企業が現地の貧困解消に貢献しうる事業活動としてもっとも有効なプログラムとして、現地NGOとの協働プロジェクトとしての「ソーシャル・ビジネス」が有効となることが確認しえた。そしてこの「ソーシャル・ビジネス」の事業内容が次第に明らかになってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、現地NGOとの協力により、メンバー企業や、マイクロファイナンス対象メンバーへのアンケート調査を実施する予定である。このアンケート結果の解析を通して日系企業と現地NGOとの協働プロジェクトによる貧困解消を直接目的とする「現地でのビジネス生態系」モデルの構築と提示を図っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として、フィリピン現地への旅費と現地でのヒアリングおよびアンケート調査費用、そして研究調査パートナーであるアテネオ大学のAldaba教授、フィリピン大学のFina准教授、および現地NGOのPBSPとCARD MRIの主要メンバーの日本への招へい旅費が主な研究費を構成することが予定されている。
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Research Products
(6 results)