2011 Fiscal Year Research-status Report
「交渉紛争解決学」の確立に向けた複数学問間の横断的再構成
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23653128
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安川 文朗 熊本大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90301845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 勉 熊本大学, 文学部, 教授 (50117339)
菊池 健 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (50380994)
石原 明子 熊本大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (50535739)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 紛争解決 / コンフリクトマネジメント / 調停 / 修復的正義 / 心理的葛藤 |
Research Abstract |
1)研究代表者、分担研究者、連携研究者の各専門分野(経済学、経営学、哲学、交渉学、心理学、法学)に関する紛争解決学関連研究の動向について文献的検討を経たうえで、それぞれの専門分野の視点から最新のトピックについて以下の課題による論文執筆をおこなった。(1)医療制度設計のコンフリクトマネジメント、(2)修復的正義と交渉紛争解決、(3)医療における患者家族の理不尽な行動、(4)紛争解決における倫理的課題、(5)民間型調停の必要性、(6)人間関係の親密さと葛藤解決、(7)カンボジアの開発事業と土地紛争。なお論文は書籍として刊行するべく準備中である。2)海外の紛争解決学教育の動向を知るために、米国コロンビア大学の紛争解決実務教員とのネットワークを構築し、欧米における教育の指針、学位授与の実態や学位名称の変更の必要などについて情報を収集した。3)また海外における紛争解決学の動向を知るために、国際学会に出席した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた文献検討に基づく論点整理は、小論文執筆として結実しており、各研究分担者および連携研究者のコミットメントは高い。なおこれら小論文はまだ公開されていないため、書籍として刊行し公表するための準備を進めている。ただ、紛争解決学における学際的な概念整理および相互理解の機会は必ずしも十分とはいえず、この点については合同研究発表会を開催して紛争解決学概念の相互理解を進める必要がある。いっぽう、国際的な動向については海外大学とのネットワーク構築や研究者間交流などが順調に行えており、今後欧米およびアジアの紛争解決動向と日本の課題(特に震災以後の日本社会における諸課題)との比較検討を加えていく必要があると考える。なお、海外を含めた紛争解決学の研究動向についてのレビューは、まだ論文化されていないため、研究代表者の責任で研究動向のレビュー論文の執筆を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は以下の3点を重点的に展開する予定である1)紛争解決学に関する学際的概念の相互理解を進めるために、公開ワークショップを開催(研究代表者の所属機関および連携研究者の所属機関で最低各1回)すること、2)すでに執筆された論文の刊行と、追加論文の執筆を各研究者に依頼するとともに、研究代表者による紛争解決学の国際的動向に関するレビュー論文を執筆すること、3)研究代表者、分担研究者および連携研究者が今後執筆する追加論文の成果は、英語論文として国際ジャーナルに投稿し、国際的な議論との整合性を検証すること。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)研究会議の会議費および旅費分担研究者と連携研究者が一堂に会して、相互に研究状況を報告するとともに、各学問領域における紛争解決概念や課題に関する相互理解を進めるための研究会議を開催する。2)国内および海外における紛争解決学研究の実際を知る調査研究のための主張旅費分担研究者および連携研究者の国際学会出席のための旅費、および研究代表者の国際的紛争解決研究レビューに向けた資料収集等のための調査旅費として使用する。3)国際ジャーナルへの論文投稿費用
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Research Products
(2 results)