2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23653210
|
Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
近藤 俊明 東京未来大学, こども心理学部, 教授 (60337459)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 保行 東京未来大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30460306)
|
Keywords | 不登校 / 予兆行動 / 予防 / 国際研究者交流(米国) |
Research Abstract |
目的: 本研究の目的は、小学1年生から中学3年生までを、3つのコーホート(小1~小3、小4~小6、中1~中3)に分け、3年間追跡し、不登校を予測する行動を同定することである。 参加者: 参加者は、東京及び近郊に所在する4小学校と2中学校の子どもと保護者である。各学年のデータの欠損値を補完し、親子のデータを平均し、小学1~3年生のコーホート(各学年319名)、小学4~6年生の コーホート(各学年353名)、中学 1~3年生のコーホート(各学年338名)のデータを得た。 器具: 不登校の予兆行動を測定するために、不登校査定尺度(Kearney, 2002)の子ども用と大人用(日本語訳)の平均を用いた。これらの尺度は、不登校行動における4つの機能、すなわち、(1)学校に関する嫌な刺激の回避(ANA)、(2)評価を受けることや社会的場面の回避(ESE)、(3)他者の注意を引く行動(AGB)、(4)楽しいことができる(PTR)、を測定する。 結果と考察: 不登校を、どの機能が最もよく予測するかを同定するため、重回帰分析を行った。ANAとESEは、高い相関を示しているので(r=.78~.96)、これらを統合した尺度AE を作成した。尺度AEは、3つのコーホートにおいて有意な相関を示した(若いコーホー ト順に、r = .17, .24, .32)。また、1,2,3年目のAEを総合した尺度は、各コー ホートにおいて、3年目の不登校に有意な影響を示した(P<.05)。これらの結果から、不登校行動の機能は、学校に関する嫌な刺激の回避(ANA)、評価を受けることや社会的場面の回避(ESE)であると言える。また、これらは、小学 低学年から、中学3年生まで、幅広く働いている機能の様である。この結果を基に、不 登校の予防のための介入法を工夫することは有意義であると思える。
|
Research Products
(2 results)