2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23653238
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
濱田 博文 筑波大学, 人間系, 教授 (20212152)
|
Keywords | 学校改善 / スクールリーダー / 校長 / 中堅教員 / 分散型リーダーシップ / 専門職団体 / 欧米 / アジア |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本における公立学校の組織や教職にみられる固有の性質に着目し、学校改善に有効性を発揮しうるスクールリーダーシップの日本的特性を解明し、それを踏まえた具現化の指針を明らかにすることである。 本研究が取り組んだ課題は主として2点である。 第一は,組織とリーダーシップ一般の日本的特性に関する最新の理論と実践の分析をもとに、欧米のスクールリーダーシップの最新理論と実践のありようを再検討し、日本の公立学校でのリーダーシップのあり方を考えるための要点を検討した。具体的には,アメリカ,ヨーロッパ諸国,およびアジアのシンガポールにおいて展開してきたスクールリーダーシップ論およびスクールリーダーシップ開発の実践的取り組みについて調査を行い,日本における議論や取り組みとの比較考察を行った。 第二は,日本国内で学校改善が著しく進展している学校の事例を選定して観察・インタビュー調査を実施し、学校改善の進展経過ならびにそのプロセスにおいて働いたとみられるリーダーシップの内実・構成条件および要因などを明らかにした。 以上の国内外での調査結果を総合的に考察して、スクールリーダーシップの日本的特性を明らかにした。例えば、欧米の場合は文化的多様さから、「学校とはそもそもどういうところか」、「教育で重視されるべき価値は何か」という点の検討にさかのぼってスクールリーダー」像を検討せざるを得ないが,それがむしろ専門職団体等による積極的関与を交えた教育的対話を促し、それによって専門職基準、研修の開発・運営などが行われている。他方,日本の学校改善事例からは,中堅教員や若手教員が学校経営上の重要な役割を果たすことが少なくないく,場合によって阿世との行動が教員の認識や行動の変化を促す場面がみられるなど,分散的で多様なリーダーシップの発揮状況がみられた。
|