2012 Fiscal Year Research-status Report
高校生の進路選択における保護者の役割に関する国際比較調査研究
Project/Area Number |
23653268
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高地 秀明 広島大学, 入学センター, 教授 (70403508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 純一 広島大学, 入学センター, 准教授 (70330959)
杉原 敏彦 広島大学, 入学センター, 教授 (00379851)
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Keywords | 高校生の進路選択意識 / 高校生の進路選択における保護者の役割 / 高大接続 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高校生の進路選択にかかわる意思決定プロセスについて,影響を与えている様々な要因のうち,特に保護者の影響を検討することで,保護者がどのような役割を果たすのか,を主な目的としている。 研究計画1年目(平成23年度)には,調査が可能な対象者を検討し,その結果,我が国の公立高校の生徒と保護者,本学の大学説明会に参加した保護者,さらに,米国の公立中等学校の生徒と保護者に対して,アンケート調査を実施した。 研究計画2年目となる平成24年度は,(1)米国のアンケート調査の継続,(2)これまでに得られている回答の分析,(3)オーストラリアにおける調査,の3つを主に実施した。まず,(1)では,生徒に加えてその保護者の回答も含めて回収が可能となり,調査を完結することができた。(2)については,公立高校2校の約900名の回答と,その保護者約400名,さらに,大学説明会に参加した保護者約270名の回答の分析を実施した。生徒と保護者の回答が一致するものもあれば異なるものもあり,また高校間の相違や日米の相違等が見いだされた。(3)については,2つの公立高校と1つの私立高校,さらに2つの州政府の教育省において調査が実施できた。この調査では,主に高校教員や州政府担当職員へのインタビュー調査を実施した結果,進路支援としての日豪の学校組織の相違,高校教員の役割や意識について把握することができた。さらに,一部の保護者へのインタビュー調査から,日本の保護者との共通点や相違点等についても理解することができた。以上の実施内容から,高校生とその保護者の進路に対する意識において,互いが同じ理解をしている事柄と異なる理解をしているもの,また部分的ではあるが,日米豪の高校生とその保護者の意識や互いの関係性について理解することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であった国内の高校における「進路に関する調査」が実施でき,また米国においても,一部ではあるが同一の内容でアンケート調査を実施できた。さらに,当初計画に加えて,オーストラリアにおける高校においても調査ができ,より幅広い観点から分析を行うことが可能となった。 一方,アンケート調査の分析結果から,大変興味深い事項が見いだされている。たとえば,日米いずれの高校生においても,多くの部分で共通点があること,またその逆で相違点として見いだされている事柄には,学校組織の相違等も関係していると推測されること等である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては,アンケート調査が実施できた米国の高校において,さらに訪問調査によるインタビュー調査を実施し,量的分析に加えて質的分析の観点を加えたものとしたい。このことは,既に得られている国内のデータに対する量的分析についても,質的分析を加味したものとすることで,さらなる分析の深化を図りたい。一方,東アジア地域の国外訪問調査については,当初の実施年度を変更しており,訪問調査に向けた検討を進めたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度では,まず,米国の高等学校等への訪問調査を実施する予定であり,得られたデータ等を電子化する経費等を含めて,旅費・謝金等の支出を見込んでいる。また,その他調査に必要な資料の取得費用,分析のための消耗品等への支出を予定している。
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