2014 Fiscal Year Annual Research Report
高校生の進路選択における保護者の役割に関する国際比較調査研究
Project/Area Number |
23653268
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高地 秀明 広島大学, 入学センター, 教授 (70403508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 純一 広島大学, 入学センター, 准教授 (70330959)
杉原 敏彦 広島大学, 入学センター, 教授 (00379851)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 高校生の進路選択 / 高校生の進路と保護者の役割 / 高大接続 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる平成26年度は,これまでに得られている日本(広島),オーストラリア(タスマニア州,シドニー州)及び米国(ハワイ州)における調査結果を踏まえ,韓国においてインタビュー及び質問紙調査を実施した。インタビュー調査対象機関は,国立工業高校,私立高校及び国立総合大学であり,このうち私立高校では質問紙調査も併せて実施した。これらの結果,(1)ソウル市に立地する大学への極めて強い進学指向の存在,(2)進路について相談する相手としての高校教員の低い割合,(3)我が国と類似した進路決定プロセス(文系,理系等),等が明らかになった。(1)については,社会的にも若年人口のソウル市への大きな流入が見られ,高校生及び保護者は,ソウル市の大学に進学することを第一と考える傾向にある。また,(2)については,進路の相談相手としての保護者の割合は我が国と同程度である一方,高校教員の割合は先行研究でも指摘されているとおり低くなった(アンケート調査結果)。(3)については,中等教育における我が国との類似性から,大枠では高大接続制度においても類似した内容を持つ。ただし,大学入学者選抜の点では,短期的に急激な改革を断行した韓国と我が国との相違点は大きい。 本研究により明らかにされた各国の高校生の進路選択プロセスと保護者の役割に関する特徴について,今後,さらに東南アジア地域まで拡大し,今後の高大接続の在り方を検討したい。特に,近年のグローバル化した我が国の大学にとって,各国の高校生の意識を把握することは,極めて大きな意味を持つと考えられる。
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