2012 Fiscal Year Research-status Report
ADHD児の「興味の多様性」を活かした漢字の書字支援がキャリア教育に及ぼす効果
Project/Area Number |
23653311
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
鶴巻 正子 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (40272091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁平 義明 白鴎大学, 教育学部, 教授 (10007833)
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Keywords | ADHD / 漢字の書字支援 / キャリア教育 |
Research Abstract |
ADHD(注意欠陥多動性障害)のある子どもは落ち着きがなく,読み書きや算数・数学など学業に遅れが生じ,自己評価が下がり,二次障害に進行するおそれがあるなど,負の循環の視点から理解されることが多い。本研究課題では,このネガティブな見方を逆転させ,「興味の多様性」として捉え直し,それをADHDの子どもが困難を抱えやすい漢字学習に活かすことで,小中学生のキャリア教育の「自己形成」にどのような影響を及ぼすか明らかにすることを目的としている。教育相談「わかば教室」参加児童の保護者にも調査を依頼し,各参加児童の「興味の多様性」を個別に明らかにした。また,個別式e-支援システムにADHDのある子ども自身による書字練習コンテンツ作成用の新システム付加の開発と予備的研究を行い本格稼働が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者と研究協力者がそれぞれの分担にもとづき綿密な打ち合わせを通して研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
発達障害児の支援教室において個別式e-支援システムを活用した漢字の書字支援を進めるとともに,自己形成の質問紙調査を行いADHDのある子ども自身の作成による書字支援コンテンツの作成,実施,他の子どもへの活用などの経験が,どのような影響を及ぼしたか明らかにする。また,公開シンポジウムを開催しADHD のある子どもへの指導にあたっている教師や保育士,支援員,児童相談所の職員等と連携しながら,漢字の書字支援やその他の学習支援とキャリア教育の関連をどう捉えるか考える場とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東日本大震災とその後の原子力発電所事故による混乱から生じたものであるが,平成25年度に開催予定の公開シンポジウムの費用として使用することとする。研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での課題等は特にない。
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Research Products
(5 results)