2012 Fiscal Year Research-status Report
表現論に関連する多項式の量子可積分系からのアプローチ
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23654007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾角 正人 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70221843)
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Keywords | 表現論 / リー環 / 量子群 / 可積分系 |
Research Abstract |
今年度は研究課題に関連して主に3つの研究をした。 一つ目は、非例外型のすべての Kirillov-Reshetikhin クリスタル(KRクリスタル)が単純であることと、相似性をもっていることを示した。特に、単純性からはKRクリスタルの任意個数のテンソル積のクリスタルグラフが連結であることがわかる。また、以前から予想のままだった、ディンキン図の折りたたみによって作る仮想クリスタルの整列性に関する予想を解決した。 二つ目は、研究協力者の国場とともに、C3型量子座標環の表現論を用いて3次元反射方程式の解の明示式を求めた。3次元反射方程式は Isaev-Kulish が3次元で反射壁のある場合に粒子の散乱が因子化する条件として導出したものであるが、非自明解は今までに見つかっておらず、我々の解が最初の解となった。同様の考察はB3型でもできるはずだという確信があったので、試みたところ別の解も発見することができた。 三つ目は、二つ目の研究から派生したもので、神戸大理の山田泰彦氏も研究協力者として加わり、有限次元単純リー環に付随する量子座標環のフォック表現の Intertwiner の自然な基底に関する行列要素が、対応する量子展開環のべき零部分代数の相異なる Poincare-Birkoff-Witt 型基底間の基底変換行列に一致することを示した。この研究ではさらなる進展が見込まれるので、来年度も3人による共同研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度からの最優先課題であったD型のX=M予想の解決については研究に十分な時間がとれず足踏み状態が続いているが、今年度より開始した国場敦夫氏、山田泰彦氏との、量子座標環の表現と量子展開環の Poincare-Birkoff-Witt 型基底との関係についての共同研究では大きな進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
坂本玲峰氏、Anne Schilling 氏との共同研究であるD型のX=M予想の解決については、来年度は着実に実行できるよう予定を組む。国場氏、山田氏との共同研究については、G2の場合の Intertwiner の明示式、量子ダイログ関数との関連など興味深い未解決問題が残っているので引き続き共同研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記2つの共同研究を強力に推進するために、全経費の中での旅費の割合を多めにとり、研究討論を重ねる。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Kirillov-Reshetikhin tableaux2012
Author(s)
M. Okado
Organizer
The XXIX International Colloquium on Group-Theoretical Methods in Physics
Place of Presentation
Chern Institute of Mathematics, Tianjin, China
Year and Date
2012-08-24
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