2013 Fiscal Year Annual Research Report
クラウドコンピューティングによる大規模な離散逆問題の新しいGMRES型算法の構築
Project/Area Number |
23654040
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
野寺 隆 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50156212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 名誉教授 (90118969)
大野 義夫 慶應義塾大学, 理工学部, 名誉教授 (20051865)
山本 喜一 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20051873)
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50171905)
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Keywords | 非適切な問題 / 離散型悪条件問題 / GMRES法 / Krylov部分空間 / Tikhonov正則化法 / 制約条件 / 逆問題 / augmentation |
Research Abstract |
離散型線形悪条件問題は、非適切問題を表すモデル方程式を離散化して得られる連立1次方程式である.特に、石油探索,医療画像処理など応用分野は広いが,Hadamandが定義した3つの条件(解の一意性,存在性,安定性)のいずれかを満たさないので,近似解の計算が困難である.本研究は,そのような問題に対して,正則化技法としてGMRES法を用い,近似解の安定性を図る算法の開発を行った.今年度の研究成果として以下の3点を挙げることがでる. (1) 条件の悪い問題を取り扱う柔軟なDFGMRES法の開発:GMRES法の近似解の構成には,Krylov部分空間に対して,任意の空間を付加するDeflationやAugmentationに加えて,残差ノルムの収束を加速するための前処理手法を提案した. (2) 新しい制約条件の提案:適切な近似解の決定を自動化するために,Simplified Tikhonov値となずけた制約条件を提案し,数値実験を行い,近似解の評価を行った.提案したSimplified Tikhonov値は,非適切問題に対する古典的な正則化手法であるTikhonov正則化の枠組を利用した改良版である.通常,反復法の収束判定は,GMRES法の残差ノルムを用いることが多いのだが,この算法では近似解ノルムを収束判定の指標として利用することも可能である. (3) 数値実験による提案手法の評価:第1種Fredholm積分方程式などの非適切問題に対して,提案手法によるソルバーの開発を行い,コンピュータグラフィクスなどのよる可視化を利用して算法の正当性,有効性などの評価を行った. 今後の研究の展開として,大規模な非適切問題に利用するために,提案手法の高速化を図る並列化やソルバーのクラウド化などを行う必要がある.
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Research Products
(14 results)