2012 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー冷却偏極不安定原子によるパリティ非保存現象の探索
Project/Area Number |
23654075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
酒見 泰寛 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (90251602)
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Keywords | パリティ / アナポールモーメント / 核力 / 弱い相互作用 / 冷却原子 / レーザー冷却 / 磁気光学トラップ / フランシウム |
Research Abstract |
原子における空間反転対称性破れ(パリティ非保存効果)の高精度探索を行い、素粒子標準模型の検証を基礎に、原子核媒質中の弱い 相互作用の伝搬機構を研究する。今回、原子におけるパリティ非保存効果が質量数の2/3乗に比例して増幅されることに注目し、原子 量最大の放射性元素・フランシウム(Fr)を核反応により生成し、さらにレーザー冷却・トラップした大強度偏極Fr原子源を実現して 、パリティ非保存効果の高精度測定技術を確立することが本研究の目的である。装置は、Fr生成用表面電離型イオン源、高輝度低速中 性原子ビーム、レーザー冷却Frトラップ装置、禁止遷移からの微弱光を測定する高感度光検出器系の4つで構成される。今年度は、中性原子生成装置と磁気光学トラップ(MOT)をFrビームラインにインストールし、中性Fr原子の観測、そしてトラップを目指して研究を進めた。2011年の大震災のあと、Frを生成するために必要なサイクロトロン加速器の復旧作業が完了し、2年近くの運転停止によるFr生成実験の停止時期を経て、2012年12月から実験を再開した。 ・融解型標的を用いた表面電離型イオン源は、Fr収量10の6乗個/秒を再現し、実験に必要なFrを生成した。 ・今回、表面電離型イオン源から引き出されたFrイオンを中性原子に変換する中性化装置の開発を進め、高輝度の原子ビームを生成する方式の原理・実証を行った。Rbを用いたオフライン実験では、4%程度の中性化効率を実現し、またFrの中性化も確認した。 ・Rbを用いて、表面電離型イオン源から、輸送系、中性化装置、MOTに至るまで、上流から下流まで通してイオン化、中性化、トラップテストを行い、Rbトラップを確認して、アナポールモーメント測定の心臓部の技術を確立した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Search for permanent EDM using laser cooled Fr atoms2013
Author(s)
Hirokazu Kawamura, T. Aoki, H. Arikawa, S. Ezure, T. Furukawa, K. Harada, A. Hatakeyama, K. Hatanaka, T. Hayamizu, K. Imai, T. Inoue, T. Ishikawa, M. Itoh, T. Kato, T. Murakami, H.S. Nataraj, T. Sato, Y. Shimizu, T. Wakasa, H.P.Yoshida and Y. Sakemi
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Journal Title
Hyperfine Interact
Volume: 214
Pages: 133-139
DOI
Peer Reviewed
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