2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール超広帯域海底水圧観測による海洋重力波と地震波の分離抽出
Project/Area Number |
23654162
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
深尾 良夫 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, チームリーダー (10022708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 裕子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (00359184)
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Keywords | 海底水圧観測 / 高感度水圧計 / 海洋波動現象 |
Research Abstract |
(1) 海底高感度水圧観測システムを製作した。構成は以下の通り。圧力センサーとして、従来の周波数測定方式の圧力計に比べ広帯域化、高精度化を図った圧力計(Parosceientific 社製水晶振動式NanoResolution: 8B7000-I-005)を用いた。ロガーとして荒木・杉岡(2009)が開発したレコーダーを使用し、センサーからの出力値とタイムスタンプをSDメモリーカードに記録した。ハウジングとして海底観測用に広く用いられている17インチの水深6000m仕様のガラス球から水中コネクターケーブルを4本出し、水圧計、レコーダー、トランスポンダー、錘切離し電極を接続した。 (2) 完成したシステムを4月初旬のJAMSTEC調査船「かいれい」航海にて宮城沖海底に投入し、2012年7月中旬からの「淡青丸」航海にて回収した。得られた20Hzサンプリング記録からマグニチュード3以下の地震が十分なSN比で取れていることを確認した。また海底水圧ノイズスペクトルを求め、Cutoff frequencyを調整することにより静かな日の脈動レベルよりRMS振幅で3桁低いノイズレベルで脈動を記録できることを確認した。将来的な水圧・流速ベクトル同時観測を目指して開発されたばかりの深海用電磁式ベクトル流速計を別途予算で購入し、2013年2月にフィリピン海水深5000mの海底で3日間の試験観測を行い、ソロモン地震津波の記録を取ることに成功した。 (3) 以上の実績を元に、海洋内部潮汐波(周期40000秒台)、長周期海洋重力波(周期100秒台)、海洋レーリー波エアリー相(周期10秒台)という周期帯の大きく異なる現象を同時に観測できる高感度水圧計アレーシステムをデザインした。
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Research Products
(4 results)