2012 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ抗体:進化分子工学による分子標的ペプチドの創出
Project/Area Number |
23655161
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70189984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
円谷 健 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00372855)
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Keywords | ペプチド / 進化分子工学 / ファージライブラリー / 分子標的医薬 / 試験管内進化法 / 抗体 |
Research Abstract |
本提案では,抗原性のない,低分子性の抗体様物質の開発を提案する。抗体様物質とは,IgGを利用せず,特定の標的抗原に対して特異的に結合するペプチドのことであり,「マイクロ抗体」と名付ける。このマイクロ抗体は,強固な立体構造をもつペプチドで,ヒトに投与しても安定であり,かつ低分子量のため抗原性を示さない。すなわち,抗体の機能を低分子ペプチドで実現する。本研究では,試験管内進化法とタンパク質構造構築理論とを組み合わせることにより,IgGとは全く異なる構造モチーフをもつマイクロ抗体の分子ライブラリーを構築し,抗体に代わる分子プローブや分子標的医薬の開発を行う。本年度は,これまでのG-CSF結合ペプチドの開発研究において培われてきたマイクロ抗体・ライブラリー法を,血管内皮増殖因子(VEGF)に適用し,VEGF結合性マイクロ抗体を獲得した。本マイクロ抗体が,抗体に匹敵する高い親和性(Kd = 0.1 nM)を示したことから,本手法の汎用性と有用性を証明することに成功した。 (1)VEGF結合性マイクロ抗体のスクリーニング:前年度までに作製済みのマイクロ抗体ファージライブラリーについて,VEGF固定化磁気ビーズを用いてスクリーニングし,VEGF結合性のファージ粒子を獲得した。 (2) VEGF受容体結合性マイクロ抗体の合成:単離されたファージをクローニングし,対応するペプチドのアミノ酸配列を決定し,マイクロ抗体をペプチド固相法により合成した。 (3) VEGF結合性マイクロ抗体の結合性試験:合成されたサイトカイン受容体結合性マイクロ抗体の受容体結合活性を,表面プラズモン共鳴法(BIA-CORE)を使って評価したところ,抗体に匹敵する高い親和性(Kd = 0.1 nM)を示した。また,円二色性スペクトル(CD)により,ヘリックス構造の安定性を確認した。
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[Journal Article] An automated system for high-throughput single cell-based breeding2013
Author(s)
Nobuo Yoshimoto,Akiko Kida, Masaya Kurokawa, Masumi Iijima, Tomoaki Nimi, Andres D. Maturana, Itoshi Nikaido, Hiroki R. Ueda, Kenji Tatematsu, Katsuyuki Tanizawa, Akihiko Kondo, Ikuo Fujii, Shun'ichi Kuroda
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 3
Pages: 1-9
DOI
Peer Reviewed
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