2012 Fiscal Year Annual Research Report
医療分野への応用を意識した外部電源・力センサを必要としないマスタースレーブの開発
Project/Area Number |
23656166
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 涛 高知工科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50449914)
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Keywords | 機械力学・制御 / マスタースレーブ / エネルギー回生 / 義手 / 力覚 / 医工学 |
Research Abstract |
「エネルギー回生メカニズムを用い,バッテリー交換が不要で力センサなしでも力覚を有する軽量のマスタースレーブ」の基礎技術を確立し,義手などへの応用の可能性を探るとともに,幅広い分野へ応用可能な技術に育てることを目的として,研究を実施した. 提案法の基本概念は,2台のDCモータを電気回路で結合し,マスターモータを発電機として用い力学的エネルギーを電気エネルギーに変換し,そのエネルギーでスレーブモータを駆動することである.エネルギー不足ならバッテリーより補充し,余ればバッテリーへ回収する.エネルギー的に有利であること,2台のモータで電流が共通であるので力センサレスでも力覚があること,が特徴となる.また,どちらのモータをマスターとしてもよいので,双方向で駆動することが可能となる. 初年度は,基礎理論を確立するとともに,1次基礎実験装置を試作し,提案法の考え方が妥当であることを示した.さらに,マスターモータとスレーブモータの特性(アクチュエータ係数)を異なったものに設定すれば,バッテリー交換などによる外部からのエネルギー補充が不要なマスタースレーブ装置の実現が可能であるかどうかを理論的に検討し,2次実験装置の基本設計を行った. 今年度は,まず2次実験装置を試作し,実験によりマスターモータのアクチュエータ係数をスレーブモータのそれより大きくすれば増速効果があり,条件によってはバッテリーへエネルギーを回収することができることを示した,それは,義手などへの応用を考える場合には,その使用条件に合わせた設計を行えば,バッテリー交換が不要な装置の実現の可能性があることを意味する.次に,提案する方法の応用例として,義手部にスレーブモータ,反対側の腕部にマスターモータを装着する電動義手の実験装置を試作し,動作実験を行い,力覚を持って柔軟なものを把持することが可能なことを実証した.
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Research Products
(5 results)