2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656232
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90241843)
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Keywords | 超伝導材料・素子 / スピンエレクトロニクス / 先端機能デバイス |
Research Abstract |
本研究は,超伝導と磁性を融合した従来にないスピン機能デバイスの開拓を目指し,層状酸化物高温超伝導体に内在する二次元超伝導層におけるスピンに依存した量子輸送現 象を明らかにするとともに,二次元超伝導層をチャネルとした超伝導スピントランジ スタの可能性を探求し,以下の成果を得た。 (1)高品質ビスマス系高温超伝導体単結晶,並びにウィスカー結晶を用いることで,微細加工した短冊状の磁性体/二次元超伝導層構造においても液体窒素温度で100マイクロアンペア以上の臨界電流をもつ試料を再現性欲作製することに成功した。 (2)作製した試料に対し層に平行方向から磁場を印加した場合,臨界電流並びに定電流バイアスしたときの試料電圧の磁場依存性がヒステリシスを示すことを見出し,スピン注入効果により二次元超伝導層の超・常伝導特性が変化することが示唆された。 以上の成果は,二次元超伝導層におけるスピン伝導を外部磁場で変化することにより,その超・常伝導特性が制御可能なことを示唆しており,層状高温超伝導体を利用した液体窒素温度以上で動作可能な新規なスピンデバイス応用の可能性を示すもので,重要な知見である。
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Research Products
(11 results)