2012 Fiscal Year Research-status Report
振動覚を利用した動的かつ方向性を有する警告情報提供手法の開発
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23656322
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
熊谷 靖彦 高知工科大学, 地域連携機構, 教授 (10368855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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Keywords | 振動覚 / MRI |
Research Abstract |
本研究の目的は高速道路の逆走行防止や中山間道路等の狭隘道路の行き違いの安全確保の手法として、動的かつ方向性を有した振動を通じて警告する手法を新たに開発することである。そのため、特に問題となっている高齢者による高速道路の逆走事故の実態と、既に導入されている「逆走防止装置」の課題や事故の実態及び情報提供装置の実態等を調査した。一方、研究分担者の朴客員教授によりMRIデータと運転との関係を調査した。これらの結果、これまで次の諸点が明白となった。①ドライバーへの路上設備を通じた情報提供は殆どが視覚に訴えるものである。②脳の白質病変と運転の反応速度との関連がある程度推定できた。③逆走者への警告は表示板を通じた視覚情報であるが、一部には見落としがある。 そこで、今後の超高齢社会の運転者への情報提供、特に逆走等の警告に関しては、視覚以外の提供が不可欠であると考えられ、警告等の非常に重要な情報提供には振動覚を通じた手段は重要と考えられる。24年度に次の「可動式車両減速ハンプ」による実験機器を試作し、校内実験を行った。機器の幅1,000mm、奥行き400mmのU字溝状に手動で高さを変更可能な構造とすること、最大40mmのハンプ状突出部が構成されていること、およびハンプの走行方向に順方向と逆方向で角度を付けた構造とした。又、実験は普通車と大型車とし、被験者は高齢者5名で実施した。評価はドライバーのアンケートで行ったが、アクセルとブレーキの反応を計測するATRで開発の”オブジェ”とドライバーの視線を計測するSmart Eye社製「Proシステム」でも試行的に行った。 結果的に大型車は最低40mmは必要である事を確認出来た。又、「Proシステム」は振動による影響があるが、その前後の反応を見ることが出来ることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
可動式車両減速ハンプを試作し、校内で走行実験を行い、大型車の場合感知高さは最低40mmは不可欠である事を確認出来た。又、評価方法としてブレーキとアクセルの反応を計測する”オブジェ”に加え、試行的に行った視線の反応も限定的ではあるが、使用可能を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では最終年度なり、纏めと外部発表を考える。発表は今年東京で開催のITS世界会議の場を考える。既に「Driving behavior of elderly drivers and their safety countermeasures」と題した企画セッションを立ち上げており、本セッションを通じ世界に発信を行う。一方、成果を新たに採択を受けた他の研究への反映を考える。一方、実用化を考え、NEXCO西日本と協力し、現地実験を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験装置の可動式車両減速ハンプは可動は手動で行っているが、実用化を考えた際の機器の仕様を検討する。その際、逆走装置への適用としての条件を調査する。(反応速度や設置環境条件) 又、そのための簡易試作を行う。一方、調査のための関係部署への出張も行う。
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