2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23657052
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Research Institution | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
Principal Investigator |
椎名 伸之 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (30332175)
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Keywords | Rhoファミリータンパク質 / GEF / スパイン / 光刺激 / PIF6 / PhyB |
Research Abstract |
Rhoファミリータンパク質のGEFを光刺激依存的に細胞膜へ移行させることによってRhoファミリータンパク質を活性化させ、その際に引き起こされる繊維芽培養細胞の形態変化および神経初代培養細胞のスパイン(後シナプス)の形態変化の解析をおこなった。方法として、GEF-mYFP-PIF6およびPhyB-mCherry-CAAXを同時に細胞に発現させた。PhyB-mCherry-CAAXはCAAXによって細胞膜に局在し、PCBの存在下、赤色光刺激でPIF6とPhyBの結合を誘導することによって、GEFの細胞膜移行を人為的に操作した。繊維芽培養細胞A6にGEFなしのmYFP-PIF6およびPhyB-mCherry-CAAXを発現し、PCB存在下で光刺激をおこなったところ、mYFP-PIF6が細胞膜へ移行することが確認できた。そこで次に、GEF-mYFP-PIF6で同様の実験をおこなった。GEFとしてRacGEF (Tiam), Cdc42GEF (intersectin), RhoGEF (Tim)の3種類を用いた。その結果、RacGEFはラメリポディアの発達を、RhoGEFは細胞形態の角張り、すなわちストレスファイバーの発達を、それぞれ誘導することがわかった。Cdc42GEFでは顕著な変化が見られなかった。さらに、マウス大脳皮質神経初代培養細胞を用いて同様の実験をおこなった。その結果、RacGEFはスパイン数の増加を、RhoGEFはスパインサイズの減少をそれぞれ誘導することが観察された。Cdc42GEFは、神経細胞においても顕著な変化が見られなかった。以上の結果は、これまでに報告されているRacおよびRhoの機能によく対応しており、Rhoファミリータンパク質の人為的な光刺激による一過的な活性化によって、スパイン形態の変化を操作できることが示された。
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