2012 Fiscal Year Annual Research Report
新たな迅速活性化手法を用いた低分子量Gタンパク質下流シグナルの解析
Project/Area Number |
23657095
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
前濱 朝彦 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (40322755)
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Keywords | シグナル伝達 |
Research Abstract |
RIRAG法はmTOR-FRBとFKBP12がラパマイシンを介して結合することを利用した新たな低分子量Gタンパク質シグナル解析手法である。本年度は、RIRAG法のRalAシグナル解析への応用を試みた。RIRAGサプレッサーとしては、RalBP1-RBDのN末端およびC末端側にそれぞれFKBP12およびmTOR-FRBを結合した融合タンパク質を用いた。HeLa細胞にRalA-L72およびRIRAGサプレッサーを発現させ、GST-Sec5-RBDを用いたRalA活性化アッセイを行ったところ、ラパマイシンの添加に応答してRalA-L72のRIRAGサプレッサーからの解離が起こることが確認された。次にRIRAG法によるRalA活性化がsecretionの亢進を引き起こすかどうかを検討した。RalA-L72およびRIRAGサプレッサーを発現させたHeLa細胞を用いて、RBP4-EGFPをレポーターとするsecretionアッセイを行ったところ、予想に反してラパマイシンに応答したRBP4-EGFPのsecretionの亢進を認めることができなかった。RalBP1-RBDをSec5-RBDに置換したRIRAGサプレッサーを用いた場合にも同様の結果となった。一方、ER*-RalA-L72を発現した細胞を4-OHTで処理してRalAシグナルを活性化させる手法ではRBP4-EGFPのsecretionの亢進が認められた。以上の結果および前年度におけるCDC42-RIRAG法の結果から、現時点においてRIRAG法を適用できる低分子量Gタンパク質には制限があることが明らかとなった。RIRAG法の汎用性を高めるためにはこの制限の原因を突き止め解決することが重要な課題だと考えられる。
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Research Products
(4 results)