2013 Fiscal Year Annual Research Report
突然変異抑制型イネいもち病防除技術の開発~組換え修復をターゲットとして~
Project/Area Number |
23658038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
曾根 輝雄 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00333633)
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Keywords | いもち病菌 / DNA組換え修復 / 阻害剤 / ポジティブスクリーニング |
Research Abstract |
イネいもち病の変異は農薬や抵抗性品種などの防除法に対する脅威である.昨年までに,DNA組換え修復を担うタンパク質複合体であるMRN complexが,突然変異菌の発生のメカニズムの一つであるDNAの組換えに加え,いもち病菌の病原性にも関わっていることを明らかにした.そこで本年は,新たないもち病防除法の開発に向けて,MRN complexのタンパク質間相互作用を阻害する物質をスクリーニングする系の開発を行った. 本研究ではレポーター遺伝子としてCAN1遺伝子を使用したyeast two hybrid法を用いた。CAN1遺伝子はアルギニンパーミアーゼをコードしており、アルギニンのアナログであるカナバニンを入れた最少培地上で発現すると、カナバニンを取り込んで酵母は死滅する。相互作用を阻害した場合、CAN1遺伝子の発現が抑えられるため、カナバニンを取り込むことがなく、酵母は生育することができ、タンパク質間相互作用阻害物質のポジティブスクリーニング系として機能すると考えた。そこで、CAN1のプロモーターをGAL4プロモーターに置換した酵母株を作成し、相互作用の有無が既知のタンパク質を用いてコントロール実験を行ったところ、この系が正しく機能することが示唆された。強固な相互作用をもつMhm11とRhm50のCの組み合わせを用いて相互作用阻害物質のスクリーニングを行った。カナバニン含有の培地に5×103cell/mlの濃度となるように酵母を混釈し、プレートを作成した。ここに、放線菌培養液の1-ブタノール抽出物をペーパーディスクに染み込ませ、乾燥後、プレート上に置いた。ペーパーディスクの周りに酵母の生育ゾーンが確認される物質を探索した。これまでに、約1000株をアッセイしたが、まだ生育ゾーンを与える物質は得られていない。
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