2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌と昆虫病原菌における共通毒素生産に依存した病原性発現機構の比較解析
Project/Area Number |
23658041
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 教授 (00183343)
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Keywords | 植物病原菌 / 昆虫病原菌 / 毒素 / 毒素生合成遺伝子 / 病原性 |
Research Abstract |
Alternaria属植物病原菌およびMetarhizium属昆虫病原菌は、それぞれの宿主植物および昆虫に対して毒性を示す毒素デストラキシンを生産する。一方、Fusarium属植物病原菌およびBeauveria属昆虫病原菌ともに毒素であるボーベリシンを生産し、それぞれ宿主植物あるいは昆虫を加害する。これらの毒素はいずれも環状ペプチド構造を有するが、その生合成の分子機構は明らかとなっていない。本研究では、植物病原菌と昆虫病原菌という全く異なる病原体における共通毒素生産の意義および病原性進化との関連を、毒素生合成遺伝子の単離と機能解析を通して分子レベルで明らかにすることを目指す。 本年度は以下の検討を進めた。昆虫病原菌 Metarhizium anisopliaeおよび植物病原菌 Alternaria brassicaeにおいて、次世代シークエンサーによるドラフトゲノム解析を遂行し、シークエンスデータに基づき、Blastサーチによる非リボソーム型ペプチド生合成酵素(NRPS)(環状ペプチド生合成酵素)候補遺伝子のカタログ化を行った。それぞれの候補遺伝子内におけるドメイン予測により、さらに、デストラキシン生合成に関与すると考えられるNRPS遺伝子を絞り込んだ。引き続き、前年度の計画において確立した、昆虫病原菌M. anisopliaeおよび植物病原菌 A. brassicaeの形質転換系および遺伝子ノックアウト系を利用して、それぞれ候補遺伝子の機能解析を進めた。 以上の検討により、植物病原菌A. brassicaeおよび昆虫病原菌M. anisopliaeにおいて共通毒素生産に関与すると考えられる候補遺伝子が明らかとなった。
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