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2011 Fiscal Year Research-status Report

後生動物の初期発生を選択的に阻害する海綿動物成分の分子細胞学的、系統発生学的研究

Research Project

Project/Area Number 23658102
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

池上 晋  慶應義塾大学, 自然科学研究教育センター, 教授 (80011980)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金子 洋之  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (20169577)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords若狭湾
Research Abstract

本研究において、棘皮動物イトマキヒトデの胞胚化を阻害する海綿由来グリコシドAncorinoside A(1)の作用に類似する化学物質を12,000種のケミカルライブラリーからスクリーニングした。しかし、選択的に胞胚形成を阻害する化合物は見出されなかった。そのため、海綿 Ancorina sp. から調製された標品 (1) を用いて桑実胚への作用を調べたところ、1.0 μg/mlの濃度で (1) は割球にアポトーシスをもたらした。 つぎに、 棘皮動物バフンウニとイトマキヒトデの原腸形成・間充織細胞形成を阻害する海綿由来セスキテルペン Exiguamide (2) の活性をミミックする化学物質をケミカルライブラリーから探索したが、見出すことはできなかった。また、(2) と同様のウニ胚の骨片形成阻害が報告されている Stearylformamide(3)と、イトマキヒトデ胚の原腸形成を阻害することが報告されている (R)-(+)-1-(1-Naphthyl)ethylisocyanide(4)について、それぞれウニ胚とヒトデ胚発生における阻害効果を再検討した。その結果、100 μg/ml の(3)はハスノハカシパン胚の発生にまったく影響を与えなかった。また、100 μg/ml の(4)で処理したイトマキヒトデ胚では割球の崩壊がもたらされた。これらの結果は、E. Ohta et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 72, 1744-1771 (2008) に記載された結果と異なり、(3)と(4)は(2)の活性類縁体ではないことが結論づけられた。そこで、微生物代謝産物を広く調査し、放線菌 Strepptomyces sp. が生産するTrichostatin A (5) がウニ、ヒトデの間充織細胞形成を選択的に阻害することが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

後生動物の発生現象に重要な胞胚化と原腸形成を選択的に阻害する化学物質を選別するという主な研究目的を達成するための基盤を築くことができた。

Strategy for Future Research Activity

Ancorinoside A(1)は海綿由来であるために、棘皮動物以外の動物種の発生過程、未分化状態のほ乳類培養乳腺細胞核の上皮化におよぼす作用を検討するには量的に不足するので、微生物代謝産物のうちでテトラミン酸とグリコシドを含有する脂質を中心にAncorinoside A(1)と同様、棘皮動物イトマキヒトデの胞胚化を阻害する化合物を探索し、(1) の代替物質として活用できる方途を追求する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度と同様、消耗品費を中心とした物品費と、国内を中心とした旅費に研究費を使用する。

URL: 

Published: 2013-07-10  

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