2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23658210
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡部 浩司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (40280820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河地 有木 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (70414521)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | PET / 分子イメージング / 植物 |
Research Abstract |
植物研究を目的とした「分子イメージング機器による炭素栄養動態の撮像実験」に向け、分子イメージングセンター内に簡易な植物育成環境およびC-11標識二酸化炭素ガスコントロールシステムを構築した。その結果、植物体周辺の二酸化炭素が葉身に吸収・固定され、さらには光合成の後、シンク器官である果実や根へと転流する様子を3次元的に撮像することができた。また、PET-MRIを用いた生態構造と機能画像の同時イメージングに向けた準備として、イネを用いた撮像試験を行った。水耕液中のイネ地下部の構造を示すMRI画像は得られたが、シグナルが弱く、期待した分解能が得られなかった。現状の低磁場強度でも十分なシグナルが得られるよう供試植物容器サイズや形状に工夫が必要であることが分かった。さらに、Cs-137の水溶液を用いて、植物のCs-137の取り込みを調べ、植物中に、確実に、Cs-137が取り込まれていることを画像化できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、当初の予定通りに研究は進んでいる。MRIを用いた植物の画像化に関しては、撮像条件の最適化が必要であることがわかり、今後の課題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
取得したPET画像データをもとに、光合成後の炭素栄養シンク-ソース間相互作用を中心とした生理機能解析を試みる。また、Cs-137の植物吸収の画像化をさらにすすめ、ダイナミックな吸収の様子を動画として取得することを目標とする。そのために、平成24年度は、モンテカルロシミュレーション等を行い、最適なコリメータ条件を求め、より感度の高い、放射線検出器の設計を行う。MRI撮像のため、現状の低磁場強度でも十分なシグナルが得られるよう供試植物容器サイズや形状に工夫した撮像環境を構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共同研究者と打ち合わせを行い、Cs-137の水溶液を購入し、これにより、Cs-137の吸収実験を行う。また、分子イメージング学会等で研究発表を行う。PETのガントリ内に対象を収め、温度、光条件をコントロールしつつガス投与とイメージングが実施できるマイクロトムセルの製作のために研究費を利用する。
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