2013 Fiscal Year Annual Research Report
エタノール発酵責任遺伝子群の新規エピジェネティック制御機構の解明と応用展開
Project/Area Number |
23658281
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 昌彦 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70218642)
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Keywords | 出芽酵母 / 遺伝子発現 / クロマチン / 細胞核 |
Research Abstract |
1,発酵関連遺伝子の細胞内空間配置とその変化の解析 これまでの解析によって、Arp6が遺伝子の核膜近傍への空間配置に必要であることを示している。これを受けて、マイクロアレイで検出された発酵関連遺伝子の発現変化に遺伝子の核内空間配置の変化が寄与している可能性が考えらえらた。そこで、クロマチン免疫沈降や遺伝子の可視化などにより、グルコース濃度に依存したこれらの遺伝子の空間配置の変化を解析した。また、arp6変異に伴うこれらの遺伝子の空間配置の変化を解析した。その結果、グルコース濃度、およびarp6変位によって核内空間配置が変化する可能性のある遺伝子を複数同定した。また、核膜に存在する核膜抗複合体と遺伝子の位置が一致するかどうかについて解析を行い、部分的な一致が観察された。 2,Arp6の発酵関連遺伝子領域への結合の解析 予備的な実験により、Arp6がいくつかの発酵関連遺伝子に結合していることが示されていたため、クロマチン免疫沈降(chromatin immunoprecipitation; ChIP)を用いて、さらに詳細な結合を解析した。その結果、解析した遺伝子の多くで、Arp6がこれらの遺伝子領域に結合していることが示された。しかし、対象として用いた非発酵関連遺伝子領域にもArp6の結合が観察されたため、現在、これらの遺伝子群の間で、Arp6の結合に有意な差があるかについても解析を行っている。また、Arp6の結合がどのようにこれらの遺伝子に寄与しているかについて解析を行い、ヒストンバリアントH2A.Z導入以外の機能が、これらの遺伝子発現の制御に関与していることを示した。
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