2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒトES/iPS細胞由来の腫瘍を標的治療する増殖型アデノウイルス技術の開発
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23659159
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小戝 健一郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90258418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前薗 理恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90381178)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 再生医学 |
Research Abstract |
全能性幹細胞のヒトES細胞、iPS細胞の応用において、腫瘍化は最重要の克服課題であるが、これまではリプログラミング法の改良による腫瘍化抑制しか報告がない。本研究は、革新的な癌遺伝子治療技術として研究者が独自開発したm-CRAベクター作製技術を異分野の幹細胞再生医学に応用することで、腫瘍化ES/iPS細胞を標的治療するm-CRAベクターを開発して本問題を克服するというものであり、その発想すらこれまでにない全く新しい挑戦的研究である。1)ヒトES細胞、ヒトiPS細胞の未分化、分化状態でのSurvivin, Tertの内因性mRNAの発現変化、ならびにSurvivinとTertの各プロモーター活性が未分化状態で上昇する事を実証した。2)SurvivinとTertのプロモーターでウイルス増殖が制御されるm-CRAが未分化状態のヒトES細胞とヒトiPS細胞を効率よく殺傷できることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Survivin, Tert promoters(Surv.P, Tert.P)の各分化状態での活性相関ヒトES細胞、ヒトiPS細胞を、1)未分化コロニー、2)非特異的な分化細胞、3)心筋分化細胞にて、Surv.P, Tert.P下にLacZを発現する非増殖型アデノウイルスを感染させる。β-Galプロモーターアッセイなどで未分化分子の発現レベルとSurv.P, Tert.Pの活性が相関するかを調べる。m-CRAによる in vitroでの未分化・腫瘍化細胞の同定と標的殺傷作用の検証Surv.P, Tert.Pでアデノウイルス増殖制御部E1Aを発現制御し、マーカー遺伝子EGFPがCMV promoter下に発現するSurivivn反応性m-CRA(Surv.m-CRA)、Tert反応性m-CRA(Tert.m-CRA)を未分化と分化状態の細胞系に感染させる。m-CRAに感染した細胞の広がりの解析には、EGFP発現細胞の経時・経日変化を蛍光顕微鏡下で解析する。各分化状態での未分化・腫瘍細胞の殺傷効果をWST-8アッセイ(MTT変法)などで評価する。さらに、分化状態から未分化培養条件に戻して各m-CRAを感染させ、分化抵抗性の未分化細胞の(殺傷による)出現阻止効果で、未分化細胞の除去効果を確証する。本年度は上記のような材料の作製と調製、in vitroでの解析実験を計画していたが、ほぼその計画通りの目的を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の計画通り。以下のようなin vivo実験にも取り組む。(1)腫瘍形成(奇形種、発癌)の動物実験系の確立 上記の未分化、(非特異的ならびに心筋)分化状態のヒトES細胞、iPS細胞を、種々の細胞数でヌードマウスに移植し、腫瘍形成能、ならびにその中の奇形種と癌細胞の発生を組織学的に詳細に検討し、腫瘍形成の動物実験系を確立する。(2)m-CRAでのES/iPS細胞由来の腫瘍(奇形種、発癌)の標的化、阻止治療効果の検証1) in vitroで確立した条件(ほぼ分化して分化抵抗性の未分化細胞が僅かに混入)でSurv.m-CRAあるいTert.m-CRAをヒトES細胞、iPS細胞に感染させる。2)上記(1)の腫瘍形成条件でm-CRA感染ES/iPS細胞を移植し、経日的に腫瘍採取して組織形態解析と、マーカーのEGFPと未分化マーカー、癌関連蛋白の免疫組織化学(多重染色)にて、各m-CRAが未分化、腫瘍化細胞を標的して感染していることを検証する。3) 採取的な腫瘍形成の阻止(殺傷)効果を、数週間の経日的な肉眼観察(腫瘍径)ならびに組織形態学的に詳細に解析する。必要であればTUNEL染色等で細胞死も評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画通り、実験用の物品費(主に消耗品)を中心に使用する事で、研究を効率よく進める。併せて、最終年度でもあり、研究成果を学会などでも情報発信するために、旅費にも使用する。
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Research Products
(9 results)