2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒトES/iPS細胞由来の腫瘍を標的治療する増殖型アデノウイルス技術の開発
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23659159
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小戝 健一郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90258418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 理恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90381178)
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Keywords | 再生医学 |
Research Abstract |
全能性幹細胞のヒトES細胞、iPS細胞の応用において、腫瘍化は最重要の克服課題であるが、これまではリプログラミング法の改良による腫瘍化抑制しか報告がない。本研究は、革新的な癌遺伝子治療技術として研究者が独自開発したm-CRAベクター作製技術を異分野の幹細胞再生医学に応用することで、腫瘍化ES/iPS細胞を標的治療するm-CRAベクターを開発して本問題を克服するというものであり、その発想すらこれまでにない全く新しい挑戦的研究である。 前年度までに、 1. ヒトES細胞、ヒトiPS細胞の未分化、分化状態でのSurvivin, Tertの内因性mRNAの発現変化、ならびにSurvivinとTertの各プロモーター活性が未分化状態において上昇 2. SurvivinとTertのプロモーターでウイルス増殖が制御されるm-CRAが未分化状態のヒトES細胞とヒトiPS細胞を効率よく殺傷できる ことを実証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1) 腫瘍(奇形種、発癌)の動物実験系の確立 上記の未分化、(非特異的ならびに心筋)分化状態のヒトES細胞、iPS細胞を種々の細胞数でヌードマウスに移植し、腫瘍形成能、ならびにその中の奇形種と癌細胞の発生を組織学的に詳細に検討し、腫瘍形成の動物実験系を確立する。 (2) m-CRAでのES/iPS細胞由来の腫瘍(奇形種、発癌)の標的化、阻止治療効果の検証 前年度にin vitroで確立した条件(ほぼ分化して分化抵抗性の未分化細胞が僅かに混入)でSurv.m-CRAあるいはTert.m-CRAをヒトES細胞、iPS細胞に感染させ、上記(1)の腫瘍形成条件で移植する。その後、経日的に腫瘍採取して組織形態解析と、マーカーのEGFPと未分化マーカー、癌関連蛋白の免疫組織化学(多重染色)にて、各m-CRAが未分化、腫瘍化細胞を標的して感染していることを検証する。また、採取的な腫瘍形成の阻止(殺傷)効果を、数週間の経日的な肉眼観察(腫瘍径)ならびに組織形態学的に詳細に解析する。必要であればTUNEL染色等で細胞死も評価する。 本年度は上記のような実験系の確立や、m-CRAでのヒトES/iPS細胞由来の腫瘍の標的化、阻止治療効果の検証を計画して進めていたが、新たな知見が出たため計画を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の新たな知見も踏まえて、来年度は当初の予定どおり(1)腫瘍形成(奇形種、発癌)の動物実験系の確立、(2)m-CRAでのES/iPS細胞由来の腫瘍(奇形種、発癌)の標的化、阻止治療効果の検証を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画通り、実験用の物品費(主に消耗品、動物実験費)を中心に使用することで、研究を効率よくすすめ、研究成果を学会などでも情報発信していくことを予定していることから、旅費にも使用予定である。
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Research Products
(13 results)