2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES/iPS細胞由来の腫瘍を標的治療する増殖型アデノウイルス技術の開発
Project/Area Number |
23659159
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小戝 健一郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90258418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 理恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90381178)
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Keywords | 再生医学 |
Research Abstract |
全能性幹細胞のヒトES細胞、iPS細胞の応用において、腫瘍化は最重要の克服課題であるが、これまではリプログラミング法の改良による腫瘍化抑制しか報告がない。本研究は、革新的な癌遺伝子治療技術として研究者が独自開発したm-CRAベクター作製技術を異分野の幹細胞再生医学に応用することで、腫瘍化ES/iPS細胞を標的治療するm-CRAベクターを開発して本問題を克服するというものであり、新しい研究である。 1.ヒトES細胞、ヒトiPS細胞の未分化、分化状態でのSurvivin, Tertの内因性mRNAの発現変化、ならびにSurvivinとTertの各プロモーター活性が未分化状態において上昇していることを見い出した。 2.SurvivinとTertのプロモーターでウイルス増殖が制御されるm-CRAが未分化状態のヒトES細胞とヒトiPS細胞を効率よく殺傷できることを実証した。正常分化細胞への非傷害性、つまり未分化細胞への特異性も幾つかの系で実証できた。 3.具体的にin vivoのモデルで、腫瘍(奇形腫)形成阻止効果の検証をはじめた。未分化の多能性幹細胞に、上記のm-CRAをex vivoにて異なるMOIで感染させ移植した場合、コントロールに比べて、奇形腫形成能が抑制されたか条件設定を行い、予備実験を行った。 今回の成果は、ヒトES/iPS細胞の再生医療の応用に大きく貢献する新しい技術となる可能性が示唆される。今後、3.のin vivo実験を進めることが重要である。
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Research Products
(11 results)