2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659257
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮崎 貴久子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70464229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 健夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70217933)
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, その他 (30246045)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 緩和ケア研究 / エビデンス診療ギャップ / パスウェー分析 / 疼痛 / オピオイド / 緩和ケア / 大規模データベース / インタビュー調査 |
Research Abstract |
がん患者を対象とした緩和ケアの整備は、治療方法の開発と併行して急務であるが、そのエビデンスは十分とは言えず、系統的に研究を推進するための基盤は未整備である。本研究は3年間で、がん・緩和ケア研究推進の基盤整備を目的として、1)がんの診断から死亡転帰までのパスウェー(プロセス)分析、2)オピオイド使用状況とエビデンス診療ギャップ調査、3)緩和ケア臨床家を対象としたわが国の緩和ケア研究に関するインタビュー調査、以上3課題を検討する。 初年度は、パスェー分析と、オピオイド使用状況とエビデンス診療ギャップ調査の目的で、複数の健康保険組合の協力を得て構築されている大規模レセプト・データベースを活用して、分析に使用するデータセットの作成に着手した。調査項目の選択について、緩和ケアを含むがん治療の臨床家とレセプト・データ作成者の意見を聴取し、診断群分類点数表の取り扱いも含んだ収集項目の基準を策定した。期間は、2004年1月から2012年12月までの保険請求分とし、適格基準はがんの診断(疑いは除外)を受けて、死亡が確認された例で、除外は20歳未満である。 今後、上記2課題の検討に加え、緩和ケア臨床家を対象としたインタビュー調査実施によって、臨床に還元可能ながん緩和ケア研究の必要課題を具体的に検討し、我が国の緩和ケア研究基盤の整備を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初、震災による交付予定額の3割が流動的であったことから、一部に若干の遅延は否めないが、研究計画はおおむね順調に進展しているといえよう。研究費と直接には関係しない、本研究に関連する文献収集は日常的に継続実施した。1)がんの診断から死亡転帰までのパスウェー(プロセス)分析、2)オピオイド使用状況とエビデンス診療ギャップ調査で使用する、複数の健康保険組合の協力を得て構築されている大規模レセプト・データベースの担当者とは、収集項目を確認した。レセプト・データ収集期間が2012年12月までの保険請求分であることから、データセットのフィックスには至らず、分析には着手していない。収集済のデータに関しては、除外基準に相応する例を削除するなどのデータクリーニングを順次実施している。3)緩和ケア臨床家を対象としたわが国の緩和ケア研究に関するインタビュー調査は、2年度目から準備を開始する計画であるので、初年度には未着手。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、レセプトデータベースを用いた2課題について調査検討を進める。1)パスェー分析と、2)オピオイドの使用状況とエビデンス診療ギャップ調査:該当年度のデータ収集、データクリーニング後に、レセプト・データをひも付する。分析用データセットをフィックスした後に、分析に着手する。2年度目から開始予定であった3)緩和ケア臨床家を対象としたわが国の緩和ケア研究に関するインタビュー調査の準備を、具体的に進める。インタビューガイドを分担・関係者と検討。緩和ケア研究に関するインタビュー調査の参加協力者である緩和ケアの医師とコメディカルを含む臨床家を関連学会・研究会の機会にリクルートする。対象は、所属部署が緩和ケア専門科以外であっても、チームや在宅医療で緩和ケアを実践している者を含む。グループインタビュ―あるいは個別インタビュー実施に向けて調整・準備を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画3課題それぞれの打ち合わせと、関連学会への出張経費として、旅費300,000円。事務連絡、データ整備の人件費として、謝金200,000円。大規模データのひも付け作業補助、録音起こし作業補助等の経費として、その他600,000円。次年度は、研究費として計1,100,000円を使用する計画である。
|