2012 Fiscal Year Annual Research Report
臨床実習中のシミュレーション学習における情報支援システムの開発
Project/Area Number |
23659273
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
安田 幸雄 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80097443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和藤 幸弘 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90211680)
黒田 尚宏 金沢医科大学, 医学部, 助教 (80333160)
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Keywords | タブレット型PC / 臨床実習 / 自習学習 |
Research Abstract |
医学生の臨床能力修得のために診療参加型臨床実習の充実が求められているが、現実的制約から、効果的な実習実現のために学習支援システムの開発が必要である。本研究では臨床実習の場で利用できる情報提供ツール開発という構想の中で、実習現場での学習機会の不均等な「意識障害レベル判定スキルの修得」を目的とした学習ツールを開発し、その効果を検討した。 研究対象は平成24年4月から同年7月まで臨床実習として救急医学に4週間配属中の金沢医科大学医学部6年生30名である。これらの学生は前年度までに意識障害の程度を判定するための診断方法は知識として習得しているが、技能として実践する機会は乏しかった。 実習初日に模擬患者を用いた意識障害の程度判定(グラスゴーコーマスケールとジャパンコーマスケールを用いる)テストを実施した。実習期間中タブレット型PCを全員に1台づつ貸与した。PCには模擬患者と模擬医療者とが演ずる20種の異なる意識障害の程度判定場面の動画の他、電子内科書などの学習資料を配信・搭載し、実習中いつでも閲覧できるようにした。意識障害の程度判定動画の利用状況は開発したソフトで記録、集計した。実習最終日に再度模擬患者を用いた意識障害の程度判定テストを実施した。2回のテスト成績と動画閲覧時間との相関関係を検討した。 動画閲覧時間は0分から87分、平均19.8分であった。実習開始日に成績の低かった学生は閲覧時間が長く、かつ実習最終日の成績が著しく改善する傾向がみられた。動画閲覧時間とテスト差分(実習最終日テスト成績-実習開始日テスト成績)との間に弱い相関(r=0.43)がみられた。 臨床実習中の動画の自主的閲覧は医学生の意識障害の程度判定スキルの向上に寄与するものと考えられ、タブレット型PCの臨床実習中の学習支援ツールとしての有効性が示唆された。
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