2012 Fiscal Year Annual Research Report
特異抗体によるがんの標的医療(画像診断と同時治療法)の開発
Project/Area Number |
23659299
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松浦 栄次 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20181688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 和子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20304298)
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Keywords | 分子イメージング / Immuno-Theranostics / がん / メソセリン / リポソーム |
Research Abstract |
がんの診断と治療が同時に実施できる新規医療“Immuno-Theranostics”の開発をめざし、以下のように研究を進めることができた。 昨年度、がん分化抗原であるメソセリン(MSLN)に対するマウスIgGモノクローナル抗体のヒト化を行ったが、今年度はこのヒト化抗体を用いて培養がん細胞への組織染色を行い、メソセリン陽性がん細胞に特異的に結合することを確認した。また、ヒト化抗体のscFv作製を開始した。研究協力者の支援のもとに、抗体重鎖および軽鎖の可変領域のDNA配列をリンカーを介して結合し、発現ベクターを作製した。4種類の候補scFvコンストラクトを大腸菌で分泌発現させ、培養上清を回収し、濃縮した。ELISAにてこれらの候補scFvのMSLNに対する結合を確認した。 抗体の酵素処理による低分子化への試みとして、MSLNに対するマウスIgGモノクローナル抗体をペプシン処理したところ、F(ab')2でなくFabを主に生じた。Fabの最適調製条件を検討し、精製したMSLN抗体FabのMSLNへの反応性をELISAにより評価した。IgGの場合より親和性は低下したがMSLNへの結合を確認した。このFabをキレート剤DOTAで修飾し、64Cuによる標識を行い、MSLN発現陽性および陰性のがんを移植したヌードマウスに投与して、in vivo PETイメージングを行った。MSLN抗体Fabは投与6時間後から、MSLN発現陰性腫瘍に比較して陽性腫瘍に有意に高い集積を示した。 近赤外蛍光色素Cy5.5で標識し、ヒト化抗MSLN抗体(IgG)を結合したリポソームを調整し、MSLN陽性培養がん細胞との結合を観察した。
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