2012 Fiscal Year Research-status Report
インスリンパワーに基づく日本人に適した糖尿病リスクテストの開発と保健指導への応用
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23659363
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
佐田 文宏 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 上席主任研究官 (90187154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
西條 泰明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70360906)
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Keywords | 健康管理 / 2型糖尿病 / リスク予測 / インスリン分泌能 / インスリン抵抗性 / インスリンパワー / 肥満 / 高血圧 |
Research Abstract |
これまでに、①北海道留萌市民1,915 名を対象とした疾病リスク検出調査の結果を基に、これまで行われた欧米やわが国の先行研究を参考に、2型糖尿病予測因子に関する問診票を作成した。②留萌市においてボランティア住民41名を対象に、問診票、食物摂取頻度調査等の質問紙調査、インスリン分泌能とインスリン抵抗性を評価するインスリンパワー健診及び体質検査を実施した。③インスリンパワー良好群では不良群に比べ、BMIが有意に低く、高血圧の既往の割合が有意に低く、肥満と高血圧の既往はインスリンパワーを弱める要因であること及びインスリンパワーは2型糖尿病への進展を予防する要因であることが示唆された。これらを踏まえ、数百人規模のベースライン調査の準備を進めた。また、他地域の40歳以上の住民調査と比較し、インスリンパワーの有効性を検討した。 高齢者におけるインスリンパワーと認知症を含む生活習慣病の関連を検討する目的で、アルツハイマー病(AD)患者150名(年齢77.6+/-6.5歳)、レビー小体型認知症患者50名(DLB)(年齢79.4+/-5.0歳)および279名の地域在住高齢者を検討し、ApoE4およびアネキシン5がADに加えてDLBでも有意に上昇していることが明らかとなった。 内臓肥満に関連し、糖尿病発症のマーカーとなる高感度CRPについて、小学4年生の血液データで検討を行った。男児ではr=0.334, p<0.001 (n=162)、女子ではr=0.368, p<0.001 (n=155)と有意に関連していた。その他、腹囲、収縮期血圧(男児のみ)、γ―GTP、尿酸、HDL-Cに有意に関わっており、小児でもメタボリックの有用な指標となると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インスリンパワーの有効性に関して、サンプルサイズを増やす準備を進めるとともに、他地域の住民調査においても検討し、高齢者におけるインスリンパワーと認知症を含む生活習慣病の関連や学童における高感度CRPのメタボリックシンドロームの指標としての有効性を検討する新たな研究にも着手したことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者の人数を増やし、糖尿病予測因子を検討すると同時に、体質検査の項目を増やし、体質に応じた最適な保健指導を検討することを継続する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、対象者の人数を数百人規模に増やし、問診票、食物摂取頻度調査等からなる質問紙調査、インスリン分泌能とインスリン抵抗性を評価するインスリンパワー健診、生活習慣病の感受性に係わる体質検査及び生活習慣病予防のための保健指導に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)