2013 Fiscal Year Annual Research Report
血中エタノール低濃度域における中枢神経系機能障害のfMRIと脳磁図による解析
Project/Area Number |
23659369
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 博志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60263092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長峯 隆 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10231490)
原田 邦明 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50423760)
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Keywords | 飲酒 / 血中アルコール低濃度 / fMRI / 中枢神経 / 脳磁図 |
Research Abstract |
最終年度については、前年度の倫理委員会承認が遅れたため、1年延長した形で研究を行った。fMRIを用いた研究については、前年度に引き続き、課題に対するストップシグナルタスクの実験と解析を行った。対象は17人の健康な成人である。研究に関する同意を得た後、ある日は5%アルコール入りのお茶を体重当たり0.3gになるように摂取した後、呼気アルコール濃度を測定して課題を行うfMRを施行、別な日にコントロールとしてお茶のみの摂取を行った後、同様にfMRIを行った。呼気アルコール濃度は飲料摂取後経時的に測定し、0.2mg/L以下になった時点でMRI室に入室し、ストップシグナルタスクを行った。ストップシグナル反応時間はアルコール飲料摂取後においてはコントロール群に比較して有意に低下したものの、反応阻害については両者に統計学的差違は認められなかった。ストップ失敗の活性はアルコール飲料摂取下において有意に上昇し、これらは既報によって前頭葉内包における活性を意味することが知られている。一方、ゴーとストップ成功については両者の間に差違は認められなかった。これらのことは低濃度のアルコールが前頭葉内包における反応性が向上し結果としてストップ阻害の失敗につながっていることが示唆された。これらについては低濃度アルコールの作用として初めて明らかになったことである。 一方、時間分解能を示す脳磁図の実験については遂行し、現在解析中である。以上のデータを総合すると、低濃度アルコールにおいても中枢神経が影響を受けていることが明らかとなった。
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