2011 Fiscal Year Research-status Report
樹状細胞と新規ケモカイン製剤の併用により肝がんの二次発がんを制御する手法の開発
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23659396
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中本 安成 福井大学, 医学部, 教授 (40293352)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 癌 / 免疫学 / トランスレーショナルリサーチ / 動物 / 内科 |
Research Abstract |
我が国で開発された免疫増強技術であるアジュバント製剤に関して、肝がんに対する経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)と樹状細胞治療に併用する手法の開発を進めた。この研究は、本年度に(1)、来年度以降は(2)(3)を行う。(1)樹状細胞の誘導培養法(ex vivo)の検討: 末梢血単核球から得られたCD14(+)接着細胞を分離して、GM-CSF、IL-4を含む培養液中で7日間培養した。誘導培養の過程で、(a)GM-CSF/IL-4、+ (b)IL-1/IL-6/TNF、+ (c)PEG2、+ (d)OK-432、(e)亜鉛[Zn]の刺激を用いた。その結果として以下の点が明らかになった。A)細胞表面マーカーについて、樹状細胞の活性化を示すCD83、T細胞への補助刺激分子であるCD86の発現に関しては、誘導法(a)と比べてOK-432(d)やOK+Zn(e)で亢進を認めたが、樹状細胞の遊走能を示すCCR7の発現は、OK+Zn刺激(e)で低下傾向を示した。B)サイトカイン産生について、OK-432刺激(d)によって誘導された樹状細胞は著明なIL-12、IFN-産生能を示した。C)樹状細胞の貪食能(FITC dextran uptake)の評価について、OK-432刺激(d)では樹状細胞の活性化に伴い低下傾向を示したが、OK+Zn刺激(e)では回復(増加)を認めた。D)樹状細胞の細胞障害活性(51Cr-release assay)について、誘導法(a)と比べてOK-432刺激(d)で亢進を認め、OK+Zn刺激(e)ではさらに増強することが観察された。 これより、OK-432と亜鉛を用いる新たな樹状細胞の誘導法が示唆され、抗腫瘍免疫を賦活化する治療法に発展する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)本研究において、平成23年度は樹状細胞の誘導培養法(ex vivo)に関する検討を計画していた。各種の誘導刺激に関する樹状細胞の表面マーカー、サイトカイン産生、貪食能、細胞障害活性についての成果が得られており、予定通りの進展と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、今後は(2)肝がんモデル(in vivo)でのアジュバントの併用に関する前臨床試験や、(3)肝がん患者を対象とした臨床研究、を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り、(2)肝がん再発モデルにおけるアジュバント製剤の前臨床試験(in vivo)において、ラジオ波焼灼療法(RFA)とともに、樹状細胞、アジュバント製剤を投与して抗腫瘍免疫、再発抑制効果を観察する計画である。
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Research Products
(4 results)