2011 Fiscal Year Research-status Report
体内時計による肝再生、脂肪化の制御に対する時間治療法の開発への基盤研究
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23659398
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
寺井 崇二 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00332809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直樹 山口大学, 大学教育機構, 講師 (90448283)
高見 太郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60511251)
藤澤 浩一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00448284)
坂井田 功 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80263763)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / 肝再生 / サーカデイアンリズム |
Research Abstract |
小型魚類における光同調性を利用し、肝再生、肝脂肪化の、光刺激による変化の有無を観察し、さらに体内時計の変調に伴う肝再生、肝脂肪化を制御する遺伝子群を明らかにする。同定した遺伝子群を使い、細胞株のノックダウン実験等を行い、実際に再生、脂肪化等の変化があるか評価する。さらに以前より解析してきたMaid分子は構造上HLH型転写制御分子で、体内時計分子BMAL1, CLOCK等と結合することで、体内時計シグナルに変化を与える可能性があり、Maidと体内時計、肝再生、脂肪化の関連について解析する。 平成23年度は、高脂肪食投与により誘導したメダカ非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルに対して、コレステロール吸収阻害剤のエゼチミブの投与による効果を確認し、その結果脂肪沈着低下に伴い、マクロファージなどの炎症細胞の浸潤が低下していることが明らかになった。すなわち、肝脂肪の沈着低下が炎症と関連していることが明らかになった。一方加齢に伴い、非アルコール性脂肪肝炎が悪化することが明らかになってきているが、老化マーカーSMP30が、肝再生、発癌に関連していることを報告した。このSMP30の動態は、発癌過程においてMaidとは違う動態であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画1:光刺激による肝脂肪化の変化の評価に関してはメダカに夜間1時間の光を当てて血糖値、肝脂肪化等の解析を行って、変化がみられる傾向をつかんだ。計画2:計画1の原因解析については肝臓よりRNAを抽出して現在解析を進めつつある。計画3:計画1における炎症細胞の浸潤等、概日リズムの変化に伴う細胞の変化の検討については光を当てて高脂肪食を投与したメダカ肝臓の組織切片を作成し、HE染色、DPAS染色、azan染色等を行っており、結果の解析を実施中である。以上のことからおおむね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
小型魚類における光同調性を利用し、肝再生、肝脂肪化の、光刺激による変化の有無を観察し、さらに体内時計の変調に伴う肝再生、肝脂肪化を制御する遺伝子群を明らかにする。同定した遺伝子群を使い、細胞株のノックダウン実験等を行い、実際に再生、脂肪化等の変化があるか評価する。 また過去に明らかになっている、細胞周期関連分子(Wee1, CyclinB1,CDC2,c-MYC),時計制御遺伝子(BMAL1, PER1,CLOCK)、E-box関連蛋白のHNF4, AFPの発現をRT-PCR法、免役染色等で検討する。 また炎症細胞の浸潤等、概日リズムの変化に伴う細胞の変化の検討をこれまでに準備したサンプルを用いて組織中のマクロファージ等の炎症細胞の浸潤の程度の評価、酸化ストレスの状態について8-OHdGを測定し評価する。これについてはFABP7-GFPTGメダカを導入し実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子発現解析のためcDNA合成試薬、PCR試薬などの分子生物関連試薬を購入する。また免疫組織化学解析のための抗体購入費に使用する。また光実験を繰り返し行い、検討を進めていく。
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