2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659404
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中野 裕康 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70276476)
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Keywords | TRAF2 / 炎症性腸炎 / インターロイキン10 / 好中球 / TNFa / LPS / MDSC |
Research Abstract |
c-FLIPと呼ばれる細胞死抑制遺伝子の発現を肝細胞特異的に低下させたマウス(完全に肝細胞で欠損させたマウスは出生後致死となる)を樹立したところ、このマウスは野生型マウスでは肝傷害を誘導しない程度の少量のTNFαを投与することにより、一過性の肝障害が誘導されることを見出した(Piao et al, Science Signaling 2012).またTNFa投与により誘導された肝死細胞周囲にCD11b+Gr-1+細胞が早期に浸潤してくる事を見出した。そこでこのマウスに生じる一過性肝傷害とその後の炎症の収束に、CD11b+Gr-1+細胞が関与しているかどうかを明らかにするために、抗Gr-1抗体投与により好中球を除去後にTNFαにより肝傷害を誘導した。驚いたことに抗Gr-1抗体投与群では、肝傷害が増悪し、それと並行して血清中のIL-6が大量に検出されることが明らかとなった(論文作製中)。このことは肝傷害に伴い局所に浸潤してくるCD11b+Gr-1+細胞が細胞死を抑制し、かつ炎症性サイトカインの産生を抑制していることを示唆している。しかしながら、血中および肝臓局所における抑制性のサイトカインであるIL-10の産生には、抗Gr-1抗体投与群と非投与群で差が見られなかったことから、CD11b+Gr-1+細胞の産生するIL-10以外のエフェクター分子が関与している可能性が考えられた。現在、肝臓局所に浸潤してくるCD11b+Gr-1+細胞をそれぞれ分離し、マイクロアレイを用いて、上昇してくるサイトカインや細胞表面分子に候補を絞り、免疫抑制のメカニズムについて検討中である。
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Research Products
(17 results)