2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659504
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
梶野 喜一 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (80322147)
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Keywords | マラリア / ペプチドワクチン / 細胞性免疫 / キラー活性 |
Research Abstract |
マラリア感染は熱帯地方を中心に現在でも多数の感染者が存在しており、毎年かなりの死者が出ている。その対策としてマラリア予防薬や治療薬が存在するが、他の感染症の様にワクチンは実用化されていない。現時点で試験されているワクチンはマラリア原虫に対する抗体が中心であるが、本研究では細胞性免疫を応用したマラリアワクチンの可能性を模索した。方法として、ヒトマラリアであるPlasmodium falciparum発現タンパクのアミノ酸配列をマラリア遺伝子データベースから検索し、細胞性免疫の標的となる配列を予測プログラムより選ぶ。標的配列はHLA-A24を持つヒト細胞性免疫モデルマウス(A24Tgマウス)でワクチンの効果を判定出来る様に、マウスマラリアPlasmodium berghei ANKA株と同じ配列の物に絞り込んだ。候補ペプチドをA24Tgマウスのin vivoで細胞傷害性活性誘導を検討した結果、KPb、ETIF3、LSP、PFKのタンパク質にそれぞれ強いキラーT細胞を誘導するペプチド配列が同定された。次にこれら4種類のペプチドで免疫したA24Tgマウスにハマダラ蚊を用いて誘導したP.bergheiのスポロゾイトを投与して感染実験を行った。その結果、何れのペプチドもマラリアの血液ステージへの移行および原虫血症による死亡を阻止する事は出来なかったが、原虫血症への移行や死亡時期を遅らせる効果は確認された。今後免疫回数やペプチドの組み合わせにより、ワクチン効果の詳細な検討を行って行く。
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