2011 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いたマンガン標識移植細胞追跡と心筋梗塞マウスの心機能評価法の確立
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23659600
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
小高 謙一 放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (20443062)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 細胞移植 / マンガン造影 / 心機能 / 虚血性疾患 / 血管新生 / 末梢血単核球 / 心臓超音波 |
Research Abstract |
ごく微量のマンガン造影剤を用いて移植細胞を標識すると、磁気共鳴画像(MRI)により生体内での非侵襲的な追跡が可能であることを報告してきた。マウスでの心臓拍動画像撮像に挑戦し、非臨床試験にも臨床試験レベルの心機能解析法の導入を目指した。 末梢血単核球を塩化マンガン造影剤で標識する。心筋梗塞マウスを作製する際、冠動脈結紮直後に標識単核球12.5μlを心筋梗塞辺縁部に心筋内注入し治療とした(n=5)。対照群は同量の生理食塩水を注入した(n=4)。心筋梗塞1週間後(W1)と4週間後(W4)に、MRIにて呼吸・心電図同期下Conventional Spin echo法によるT1強調画像とSpoiled Gradient-echo sequence (FLASH)法によるシネ心臓MRIにて短軸像を撮像した。W4には心臓超音波にても心駆出率(EF)を計測した。撮像したMRI画像ファイルを、data manager機能を用いDICOM形式に変換し、さらにOsiriXソフトウエアで臨床解析用MASS Analysis Plus V5.1が読み取り可能なheaderファイルに変更し、EFを計測した。 MRIによるEFの妥当性を確認するため、心臓超音波検査によるEFと比較した。W4のEFはMRIで32.2±22.0%、心臓超音波検査で52.1±20.1%とMRIデータが有意に低かった。しかし、相関係数0.90(p<0.01)と高い相関が得られ、妥当性が確保された。MRIによるW1のEFは対照群で38.0±22.0)%,単核球移植群で21.4±11.6%、W4のEFはそれぞれ、34.5±28.7%,30.4±18.3%、心駆出率改善(W4-W1)はそれぞれ-3.6±10.2%,8.9±11.5%で有意差なし。また、心臓超音波検査での4週間後の心駆出率はそれぞれ、52.8±22.1%,51.5±21.0%で有意差なし。標識単核球はW4でも良好に強調された。 作製時の心筋梗塞モデルのEFがばらついているにもかかわらず、微小なEF改善でも感度良く捉えることができ、同時に移植細胞の動態を評価することができた。今後、移植細胞の種類の選定や移植条件の検討に必須の検査となることが期待される。
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Research Products
(6 results)