2012 Fiscal Year Annual Research Report
代謝物を指標とした膵癌早期診断・個別化治療の新展開-メタボローム解析の臨床応用-
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23659654
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水元 一博 九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 学 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80529876)
井上 重隆 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00529802)
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Keywords | 膵癌 / 代謝産物膵癌 / 治療抵抗性 / ゲムシタビン耐性 / MALDI-IMS / 凍結組織マイクロアレイ / メタボリックプロファイリングマッピング |
Research Abstract |
膵癌の第一選択薬であるGemcitabine治療の効果を予測する分子マーカーを同定するため、膵癌細胞株であるSUIT-2、CAPAN-1においてそれぞれGemcitabine耐性膵癌細胞株を2種樹立し、その細胞中の代謝産物を液体クロマトグラフ質量分析計 (LCMS-IT-TOF) によりprofilingを行い正確かつ再現性のある結果を得た。Gemcitabine耐性膵癌細胞株と親株間の比較にて、aspartate、hydroxyproline、creatine、creatinineの増加、glutamine、prolineの低下等、約30%の代謝産物の発現相違を認めた。ここまでの研究成果は現在論文にまとめ投稿中である。 また、代謝産物の組織中での局在を調べるため、手術切除標本由来の凍結サンプルを用いた凍結組織マイクロアレイを作製し、その凍結切片を用いてマトリックス支援レーザー脱離イオン化イメージング質量分析 (MALDI-IMS)にてprofile Mappingを行った。結果、核酸派生物等40種類以上の代謝産物を切片上にMappingすることができ、腫瘍部、正常部間で分布が異なる代謝産物を複数同定することができた。 今後、同定した代謝産物の意義について、免疫染色、In situ Hybridization 等を用い、タンパク、RNAレベルで解析を行い、早期診断、個別化治療の候補となるか引き続き、検討を行う予定である 。
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