2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管4DーCTA新規解析法の開発と脳血管/脳動脈瘤弾性度の画像化
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23659684
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒田 淳子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (00528391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 学 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40448064)
藤中 俊之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00359845)
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Keywords | 未破裂脳動脈 / 破裂脳動脈瘤 / CT |
Research Abstract |
前年に引き続き、4DCTAを用いた脳動脈瘤ならびに脳血管の心拍による拍動性変化について検証を行った。 前年までの結果から、脳動脈瘤全体での心拍による拍動性体積変化率は正常脳血管のそれと差を認めない事が明らかになっていたのであるが、同解析では脳動脈瘤の各局所での心拍による体積変化や、形状変化は検出できていなかった。それに加えて、前年に開発した解析ソフトウェアでは、脳動脈瘤を観察者が3方向から観察し、母血管から抽出しており、その抽出くおける正確性を完全には担保できていない可能性があった。今年度は簿血管からの脳動脈瘤抽出を3次元的に自由に行えるようなソフトウェアの開発を行い、より正確な動脈瘤の体積計測ができるように解析アルゴリズムの改良を行った。新しく開発したソフトウェアでは観察者は3次元的に動脈瘤頚部を同定し、仮想される動脈瘤の発生部より動脈瘤を母血管から抽出することができる。ソフトウェアの開発言語もMatlabからC++へと変更し、よりソフトウェアの高速化を図っている。 このような改善を行った上で、前年度に得られた結果との比較検討を行った。前年度に得られた動脈瘤の体積や正常脳血管の体積と、改変型のソフトウェアにより得られた結果との間には有意な差をみとめなかった。これらの結果が示唆するところは、動脈瘤の同定に際しては3次元抽出と、3方向からの抽出では、その精度において大きな差がなく、3方向抽出でも十分な正確性を担保できるということである。 局所的な動脈瘤壁の運動に関する可視化を手術のmotion enhancement法を用いて試みたが、動脈瘤が心拍動による母血管運動と同期して移動するため、この移動に関する補正が極めて難しく、現状では局所的な動脈瘤壁の運動に関する可視化は現実的ではないと結論された。
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