2013 Fiscal Year Annual Research Report
軸策再生効果の高い嗅神経鞘細胞の誘導と移植用三次元デバイスの開発
Project/Area Number |
23659685
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森脇 崇 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20591019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00201046)
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Keywords | olfactory epithelium / lamina propria / NGF / VEGF / 抗PSA-NCAM抗体 / 抗L1CAM抗体 |
Research Abstract |
当グループでは、嗅粘膜片をラット脊髄損傷モデルに移植し、後肢の運動機能回復に一定の改善を認めており、嗅粘膜組織が軸索と相互作用することを示唆している。本研究では、これを器官培養のモデル系で検証することを目的とした。また、嗅粘膜を構成する嗅上皮olfactory epithelium(OE)あるいは、嗅粘膜固有層lamina propria(LP)を分離し、軸索との相互作用の違いを検討した。 成体ラット鼻中隔から嗅粘膜を分離し、嗅粘膜(OM)構造のまま、あるいはdispase処理により、OEとLPに剥離したのち細片とし、ラット脊髄由来後根神経節(DRG)とともにセルカルチャーインサート上に置き、コラーゲンゲル中で培養した。7日目に固定・免疫染色し、DRGからの伸長軸索の本数・長さをカウントした。また培養上清中の神経栄養因子をELISAで測定した。 DRGからの伸長軸索は、OM, OE あるいはLPの置かれた方向に向かって伸長し、誘引因子が嗅粘膜から遊離されていることが示唆された。外液に抗NGF抗体、抗NT3抗体を加えると誘引は抑制された。抗BDNF抗体は有意な阻害を示さなかった。培養上清には培養2-4日でNGFが検出され、VEGFも継続して産生されていた。誘引作用はLPがOEより強く、また軸索はLP内のOECで構成されるケーブル状の構造に沿って伸長し、LP表面のみならず内部にも進入することが認められた。OECと軸索との細胞接着相互作用を調べるため、抗L1CAM抗体あるいは抗PSA-NCAM抗体存在下で培養すると、軸索は伸長するがLPへの進入は阻害された。一方LPをendoneuraminidase処理してNCAMのポリシアル酸を除去するとLPへの進入は処理濃度依存的に抑制された。以上から、LP内のOECに発現するPSA-NCAMが軸索との直接相互作用に関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)