2012 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系を標的とした心因性勃起障害発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
23659758
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 浩隆 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (20363971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40315932)
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Keywords | 泌尿器科学 / アンドロロジー / 男性性機能 / 勃起障害 / アンドロゲン / 神経 / ホルモン / 脊髄 |
Research Abstract |
これまでに我々はラットを用いた基礎研究から、神経ペプチド gastrin-releasing peptide (GRP) を含むニューロンが、勃起を含む男性(雄)の性機能を生理的に調節していることを発見した(Sakamoto et al., Nature Neuroscience, 2008)。本研究では、この新規に同定した脊髄内勃起中枢をターゲットとして、勃起障害(ED)の病態生理メカニズムを解析する。本研究の発展により、EDの原因究明・治療法開発に新規アプローチが提案できる。本研究では、異なる要因であるストレス性および内分泌性ED、それぞれの発症メカニズムを比較検討することにより、普遍的な中枢神経性EDの発症メカニズムを、中枢神経系をターゲットとして解明することを目的とする。 まず、雄の性機能の評価として、ラットを用いて性行動中の神経活性をリン酸化細胞外シグナル調節キナーゼ(pERK1/2)のGRPニューロンにおける発現を解析した。その結果、雄の性行動中に脊髄GRPニューロンが活性化されることを明らかにした(未発表)。 次いで、GRP遺伝子プロモーターの下流に緑色蛍光タンパク質 (Venus) のcDNAを繋いだ遺伝子のトランスジェニック (GRP-Venus Tg) ラットの作出を試みた。得られた、14ラインのGRP-Venus Tgラット・ファウンダーから、交配・継代を行い、Venus蛍光を指標にGRP-Venus Tgラットのキャラクタライゼーションを行った。14ラインのうち3ラインにGRPニューロンにVenus蛍光を確認できた。本GRP-Venus Tgラットの作出により、GRP系を中心とした脊髄内神経ネットワークを生きた状態で解析することが可能になった。 今後、確立した評価系を用いて、脊髄GRPニューロン系について詳細な解析を行う予定である。
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