2011 Fiscal Year Research-status Report
全血液成分を対象とするプロテオミクスによる脳低体温療法に関する網羅的研究
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23659845
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
織田 禎二 島根大学, 医学部, 教授 (50448198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健一 島根大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (30202328)
橋口 尚幸 島根大学, 医学部, 教授 (70322188)
清水 弘治 島根大学, 医学部, 助教 (70548578)
庄野 敦子 島根大学, 医学部, 助教 (90343285)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳低体温療法 / プロテオミクス / 血液 / 血清 / 赤血球 / 血小板 / 好中球 / 単球 |
Research Abstract |
蘇生後脳症に対する脳低体温療法が生体へ与える影響について血液成分(赤血球、血小板、好中球、単球、血清に分離予定)を用いたプロテオミクス解析にて検討する研究である。おもな研究テーマは1)血液成分の効率的分離法の開発、2)純度などのバリデーション法のflow cytometry (FCM)などによる確立、3)iTRAQ法(isobaric Tags for Relative and Absolute Quantiation)を用いたnanoLC-MALDI-TOF/TOF MS/MS法にて上記血液成分のプロテオミクス解析を行うことである。平成23年度の研究実績は以下の通りである。1)1年間に本学附属病院で上記の脳低体温療法を行い、その際ご家族に説明後同意を頂いた3例について採血を行った。その内訳は以下の通りである。78歳男性:縊頸にて蘇生後脳症に対して脳低体温療法施行、22日後死亡;66歳男性:胸腺がん化学療法中急性心筋梗塞による心肺停止:蘇生後脳症に対して脳低体温療法施行し後遺障なく回復;79歳女性:心肺停止に対して蘇生後、脳低体温療法施行し後遺症なし2)採取した血液を各血液成分(血清・赤血球・血小板・好中球・単球)へ分離する試みを行ったが、予定通りには分離できず、結果的に血清のみの保存となった。3)このため、附属病院検査部と共同で分離法とバリデーション法を検討することとなり、現在検討中であるが、基本的には、好中球、血小板はmicroscopic inspectionによりvalidationを行い、単球はFCMによるvalidationを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年間に脳低体温療法療法を行った症例は3例で少ないながら予定通りである。しかし、採取した血液を各成分にプロテオミクス解析に適合した方法で分離する方法の開発に手間取り、病院検査部と共同で開発することになったため予定より研究の進行が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、1)病院検査部と共同で血液成分の効率的分離法・バリデーション法を開発し、2)脳低体温療法症例より得た血液サンプルにおいて分離法を適用する。3)さらに症例を限定してサンプルのプロテオミクス解析(NanoLC-MALDI-TOF/TOF MS/MS)を行い、分離法の妥当性を検証する。また4)得られたタンパク発現変動をバイオインフォーマテイクスにて解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度は、血液各成分の分離が予定通り進まず、その後のプロテオミクス解析(iTRAQ試薬を用いたnanoLC-MALDI-TOF/TOF MS/MS)を行うことができず、予定通りの研究費使用とならなかったため、結果として残額が発生した。次年度の研究費はこの残額分を合わせて使用し、以下の項目に用いる予定である。1)血液成分の分離・フローサイトメトリー法によるバリデーションなどで用いる消耗品2)プロテオミクス解析の際に用いる消耗品3)バイオインフォーマティクス解析の際に利用するデータベース利用料(ExPlain, version3.0,日本バイオベース)
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