2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659859
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清島 保 九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (20264054)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 英隆 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80136499)
小林 家吉 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40243951)
永田 健吾 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90189134)
和田 裕子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70380706)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 歯の再生 / 組織再構築 / 歯胚形成 / 歯原性幹細胞 |
Research Abstract |
本研究では、導入した遺伝子の発現量や発現時間を調節してエナメル質や象牙質を産生する細胞へ分化しうる組織幹細胞(歯原性幹細胞)の作出の画策を試みようとするものである。そこで以下の検索を行った。(1) GFPおよび他の遺伝子を用いて強制発現および不安定蛋白質発現量制御を試みた。まず強制発現系による一過性遺伝子導入にて、ある膜蛋白とGFPの融合蛋白が細胞質内に顆粒状に陽性像を示すことを確認し、細胞内オルガネラへの局在が示唆された。このGFP融合蛋白の細胞質内局在は免疫染色による蛋白の細胞内局在とも類似し、この発現蛋白の機能性が一部示された。この膜蛋白の不安定蛋白質発現量制御によるmRNA発現量は、導入細胞間でmRNA発現量に株間差が見られたものの、形態学的変化はもたらさなかった。不安定蛋白質発現量制御では、mRNA発現は行うが、翻訳された蛋白速やかに排除されるためと思われる。安定化リガンドの添加量等を調整して細胞形質への影響を検索している。(2)膜蛋白の不安定蛋白質発現系と併せて、"遺伝子X"の不安定蛋白質発現量制御系の細胞を株化させて発現量や発現時間を調節して細胞形質への影響を解析中である。(3) "遺伝子X"を導入した細胞を石灰化誘導培地にて細胞培養を行うと、石灰化物の形成が見られ、アリザリンレッドやフォンコッサ染色に陽性反応を示した。また、元素解析を行うとリン酸カルシウムであることが示唆された。対照群とする親株やempty vectorを導入した細胞株では、観察されなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不安定蛋白質発現量制御系による目的蛋白の生成/機能阻害による細胞形質への影響を試行する予定であったが、強制発現系を用いた細胞株で形質変換の株間差が一部生じたため、生じた形質変換についてin vitro検索を先行させた。次年度へこの実験系を移行させるため、到達目標からやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)"遺伝子X"および他遺伝子の発現時間や発現量の調節による細胞形質への影響の解析を進め、時期特異的な"遺伝子X"および他遺伝子の役割を明らかにしていく。また、"遺伝子X"によるRunx2 の発現機構の解析を通して細胞形質の変換機序を検討する。(2)遺伝子導入細胞(強制発現系)をマウスに移植し、移植細胞の動態の検索(組織形成や各種遺伝子・蛋白の発現解析)(3)遺伝子導入細胞をマウスに移植し、蛋白調節発現系の制御性の確認と移植細胞の組織変化の検索以下の実験を予備的に行う。1) 移植前に目的蛋白を発現させ、細胞形質変化が生じた後にマウスへ移植した細胞による組織構築を検討する。元の細胞形質の完全消失、部分消失などの検討を行う。2) 移植された遺伝子導入細胞に目的蛋白をマウス体内にて発現させ、その制御性と細胞の組織構築を検討する。in vivo における細胞形質変化を試みる。元の細胞形質の完全消失、部分消失などの検討を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究に、平成23年度実験を一部移行させるために研究費使用の計画を調整する。実験動物購入と国内旅費(調査)から一部を分子生物学研究試薬と培養関連試薬の費用に当てる。平成25年度に予定するする動物実験を行うためのin vitroでの実験を優先させる。また、国内旅費(調査)は2名随行予定を1名とする。下記に変更金額を示す。分子生物学研究試薬 250千円⇒340千円培養関連試薬 150千円⇒180千円動物購入・飼育費 150千円⇒80千円国内旅費 100千円⇒50千円
|
Research Products
(5 results)